6:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)
2013/12/07(土) 00:22:42.10 ID:gLkbd9Kt0
『はやせちゃん』
優しい笑顔で近付いてくるあの子が子どもを喰らう化けモノに見えて、私は怖くて逃げた。
その時、彼女がどれだけ傷ついた顔をしていたかは、今でも覚えている。きっと顔に出さないよう努力していたのだろうけれど、彼女は一瞬、泣きそうな表情になった。
それでも私は彼女から離れた。
彼女はある日この町から姿を消した。
それから小学校、中学校と友達にもめぐまれ、いつのまにか彼女の存在を忘れるようになった。
けれど今日、あの人を見たとき、何故か彼女のことを思い出した。それだけあの人の瞳が彼女に似ていた。
一体あの人は……。
チャイムが鳴った。先生が出て行く。それと同時に私も席を立った。
「あれ、はやせ、もう帰るの?」
「うん、ちょっと行きたいとこあって」
さくらがかけよってくる。
私は手を振ると教室を出た。
「行きたいとこー?」
さくらの声が追いかけてきた。
「行きたいとこ、神厳山(しんごんざん)!」
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