8:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)
2013/12/07(土) 00:25:38.03 ID:gLkbd9Kt0
「……あ、わ……!」
とっさに何かにつかまろうと手を伸ばすと、何か温かいものに触れた。
こちらが握る前に手を握られ、すごい力で引っ張られる。
「わわ……!」
そして何とか、安全な場所へ立つことができた。
助かった、と一人座り込み大きく息をついていると、上から声がした。
「こんな所で何をしている」
「え、あ、あの……」
顔を上げると、多分年上(大学生くらいだろうか)の男の人が私を冷たい瞳で見下ろしていた。
「ここは普通の人間は立ち入れないはずだ。何故ここにいる」
「あの、ただ私は、おばあちゃんに会いに……」
「おばあちゃん?」
「はい、ずっとここに住んでるおばあちゃんがいるんです」
男の人は、私の言葉に少なからず驚いたようだった。切れ長の鋭い瞳が大きく見開かれている。
まあそれもそうだろう。誰もこんなところに人が(しかも老人が)住んでいるなんて思わない。ましてやここは『神の山』だ。
私もはじめて見た時は仙人(仙女?)かと思った。
突然、また男の人が私の肩をつかんで身体を引っ張り上げた。そしてゆさぶられる。
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