過去ログ - きっと彼の青春ラブコメは間違っている
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89: ◆0NaiNtVZPPaZ[saga]
2013/12/12(木) 21:35:55.46 ID:kAvah7O60
結衣「まずは自己紹介からだよね。あたしは二年F組の由比ヶ浜結衣だよ。これからよろしくね!」

江ノ島「え、あ、あの……僕はJ組の江ノ島渡です……よ、よろしゅう……」

なぜか京都の人みたいな感じになってることからも分かるとおり、あいつは女の子と話すことが苦手らしい。

あと由比ヶ浜みたいなテンション高いのも苦手っぽいな。俺もちょっと苦手だ。

結衣「江ノ島君かー、じゃあのっくんだね!」

江ノ島「……?なんのこと……?」

結衣「え?あだ名のことだよ。江ノ島君は今日からのっくん!」

江ノ島「の、のっくん……」

八幡雪乃「…………」

二人で無言のまま視線を交わす。もちろん、そこに熱い感情などはない。むしろ冷え切ってる。今なら氷雪系魔法でも使えそうだ。

ヒッキー、ゆきのんに続く新たなるあだ名の誕生。もちろん喜びなどあるはずもない。

雪ノ下と揃って憐憫の目を向けてしまうが、予想外にも江ノ島の反応は俺たちの斜め上を行っていた。

江ノ島「あだ名……えへへ、嬉しいな」

八幡「由比ヶ浜にあだ名を付けられて喜んだ……だと……!」

雪乃「なにか特殊な性癖でも持っているのかしら……?」

結衣「ちょっと二人とも!すごく真面目な顔して何言ってるの!」

そうは言われても驚きを隠せるわけもなく、しばし呆然と江ノ島の顔を見ていた。

結衣「のっくんはさー」

もはや「のっくん」は由比ヶ浜の中では決定事項らしかった。まあ呼ばれる本人が嬉しそうだからいいか。

しかしさすがというべきか由比ヶ浜の相手に合わせて会話をするスキルは、俺や雪ノ下とはレベルが違うらしくその後もそこそこの盛り上がりを見せていた。

二人の話し声だけが響いていた部室に下校のチャイムが鳴りわたった。

雪乃「今日はここまでにしましょう」

八幡「だな、そんじゃまた明日」

雪乃「ええ」

結衣「じゃあねー!」

江ノ島「ば、ばいばい……」

三者三様の声を聞きながら、誰よりも早くドア目指して歩き始める。

たとえ新入部員が来ようと誰が来ようと、早く家へと帰りたい気持ちだけは変わらないだろう。なんせ変えるつもりがないからな。

小町の帰りが遅い今日は一人で何を食べるか、なんてことを頭の片隅で考えながら俺は後ろ手でドアを閉めた。

そしていつも通り愛する我が家へ向かって歩き出す。

第一章、こうして比企谷八幡は彼と出会う




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