過去ログ - 少女「あなた、サンタさん?」
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88: ◆nlCx7YJs2Q[saga]
2013/12/22(日) 00:00:23.12 ID:00gxN4fro


 何故だろうか?


「私にそのようなことを言う人間はいなかった」


 それはそれは。随分甘やかされて育ったと見える。


「事実、その通りだ。私はこの国の王女として、花よ珠よと育てられた。入る言葉は耳心地好いことばかり、日がな気の合う友人と遊び、学び、この世のありとあらゆる美味なるものを食し、時には踊り、歌ったものだ」


 成程?


「き、求愛されたことも、あるのだぞ?」


 心底どうでもいい。


「……貴様に言われると何故か激しく憤りを感じるが、良い、許そう。なにせ私は王族なればな」


 全く持ってその通りだ。民を知らず、快楽にふけ、そのまま何一つ苦労することなく一生を終えるのだろうな。まさしく王族だ。


「そう思われても仕方ないな。私は知らなかったのだ。悲しみや苦しみというものを。万民の規範とならねばならない王族であるこの私が、こともあろう遊楽にふけ、民とその苦しみを分かち合おうとしなかったのだ」


 一概に全てお前の責任というわけでもないのではないかだろうか?


「いや、そうではない。『それしか知らなかった』ということはなんの言い訳にもならない。私はこの戦争で初めて知ったのだ。世にはびこる理不尽と言うものを。苦しみや不幸、わびしさや惨めさ。それを初めて知った、いや、『知ろうとしていなかった』のだ」




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