過去ログ - 日向「信じて送り出した七海が」狛枝「2スレ目かな」
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以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします
2014/02/05(水) 05:09:00.88 ID:peHDovB80
鼻息を荒くし怒る水田早稀(女子十七番)と、早稀を宥めた日比野迅(男子十五番)――確か2人は付き合っており、そして2班として瑠衣斗たちの少し前に教室を出て行った記憶があった。
2人は、どうなのか。
迅は瑠衣斗とは出席番号が前後になるため何かと組まされる機会があり言葉を交わすことも何度かあった。
愛想はあまり良くないが仲間の面倒をよく見ている、所謂“いいやつ”だ。
早稀のことはよく知らないが、もみじの祖母が開いている駄菓子屋の常連客だそうで、もみじがよく懐いていた。
だが、そんな前情報が役に立たないことは、雪美の時に思い知らされている。
「…武器を、地面に置いて」
瑠衣斗の指示に、思っていたよりあっさりと迅と早稀は従った。
迅は小ぶりな自動拳銃(瑠衣斗が知るところではないが,NAA ガーディアンという名の物だ)を、早稀は携帯ゲーム機のような物を地面に置いた。
これは何だろう――訝しんでまじまじと見ていると、早稀が「それ、探知機。 首輪の位置を表示するんだってさ」と教えてくれた。
こんな物も配られているとは――人探しにも争いを回避するにも使えそうだ。
「…芥川さんと奈良橋さんはどこですか?
確か、同じ班でしたよね…?
どこかで隠れて、私たちを狙っているのではないのですか…?」
撫子が唸るように尋ね、それを聞いた咲良はびくっと身体を震わせた。
瑠衣斗の脳裏にも、雪美が瑠衣斗たちを油断させたところで襲いかかってきた榊原賢吾(男子七番)のことが蘇り、身体がぶるっと震えた。
「いないいない、あたしたち2人だけだって。
探知機見たらわかるでしょーが!」
早稀が探知機を履き古したローファーの爪先で軽く蹴った。
確かに、画面に表示されている点は5つのみ、この探知機の表示を100%信じても良いのなら早稀の言ったことは真実だが、例えば仲間を表示させない設定ができるなど、敵を騙す機能が付いていても全く不思議ではない。
「…悪いけど、表示を鵜呑みにはできないよ。
この画面、偽物かもしれないじゃないか」
「疑り深いなぁ、もう、苛々する!
いないモンはいないんだから、他にどう証明すりゃいいの…あっ!」
何を閃いたのか、早稀はぱあっと表情を明るくし、瑠衣斗の前に仁王立ちした。
瑠衣斗の眼前には、スカートの丈が短いために露わになっているバスケットボールで鍛えられた早稀の大腿部があり、思わず視線がそこに貼り付いてしまったが、我に返り慌てて視線を逸らし、早稀を見上げた。
早稀は悪戯っぽく笑みを浮かべると、少し屈んで瑠衣斗の右肩に左手をぽんっと乗せ、右手は自らのカーキ色のパーカーのファスナーを摘み、ゆっくりと下ろした。
「ここであたしが全部脱げば、裏にはなーんもないって信じてくれるかなぁ?
ねぇ、る・い・とっ♪」
「ぬ…げば……えぇ…ッ!!?」
一瞬想像してしまい(仕方がないだろ、僕だってそういう年頃なんだ)、煩悩を振り払うように頭を激しく横に振ると、早稀の手を払った。
逃げるように背中を向けたが、顔も身体も熱を帯びてしまっていた。
「きゃああっ!! 駄目よ早稀ちゃん、早まらないでぇっ!!」
「ああああ貴女何言ってるの、そんなことさせませんッ!!!
ちょ、真壁さん、貴方まさか変なこと考えたんじゃ…破廉恥極まりないですッ!!」
「な…真壁テメェ誰の許可得て想像してんだッ!!」
「ししししてない、してないったらしてないッ!! 濡れ衣だよ日比野…痛っ!!」
「というか許可って何なんですか日比野さん、ああもう、汚らわしいッ!!!
これだから男は…咲良、貴女木戸さんと一刻も早く別れるべきですッ!!!」
「え、な、何でそこで健太くんのことになるの?!
ああ早稀ちゃんごめんねごめんね、もう疑わないから脱がないでっ!!」
「ぷっ…あっははははっ!!!」
早稀が声を上げて笑い出した。
早稀にしがみ付いた咲良も、早稀を男子2人に見せないように間に割って入った撫子も、瑠衣斗の胸倉を掴んでいた迅も、迅に殴られた左頬を押さえていた瑠衣斗も、全員顔を真っ赤にしながらも呆気に取られて早稀を見上げた。
早稀は目尻の涙を指で拭い、下ろしかけていたファスナーを元の位置まで引き上げると、笑顔を皆に向けた。
「やだよー、冗談に決まってんじゃん!
あたしそんな易々と脱ぐ軽い女に見える? 心外だなぁ!
てか瑠衣斗すっごい慌ててるし、撫子も『破廉恥』とかいつの時代の人!?
咲良は慌てすぎだしさ、超うけた!!
あ、迅、心配してくれありがと、愛してるっ!!」
「じょ…冗談って…貴女、こんな時に――」
「どう、ちょっとでも気持ちは晴れたかな?」
早稀の言葉に、瑠衣斗ははっとして咲良と撫子を見た。
つい先程まで号泣していた2人の涙は驚きのためにとっくに引っ込み、思い返してみれば先程の撫子の怒鳴り口調は普段と変わらないものだったし、早稀の言葉が冗談だったことに安堵したのか咲良の表情も綻んでいた。
瑠衣斗自身、呼吸は上がっているが(冗談にしてはタチが悪すぎるだろう、日比野に殴られ高須に責められた僕の立場は何なんだ)、身体の強張りが消えていた。
「…アンタたちが気持ち的に一杯一杯になってる理由は、あたしにだってわかる。
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