過去ログ - 対木もこ「私と荒川憩のカレーうどん戦争」
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34: ◆cvvZKri7SI[saga sage]
2013/12/11(水) 05:02:35.07 ID:3XmGIBxHo

「地学部、楽しいんだよ?」

 知らねぇよ。

「色んな土地の地層とか調べたりするとね、過去に何があったんだーって分かるんだよ?」

 興味ねぇよ。

 何が楽しくて自分が生まれてもいない昔の地理事情を知らなくちゃならんのだ。

「そうかなぁ……」

 そんなもんを知るくらいなら、疲れないで走る方法でも教えてくれ。

「それは難しいよぉ」

 全長何キロあるのかは分からないが、校内一周というからには五キロは優にあるだろう。十キロあるかどうかは悩む、そんなところか。
 初夏の足元、葉桜の季節だ。日陰はまだいいが、日向は暑い。走っているのだから尚更。

 地学について懲りずにまだ何か言っている委員長の言葉を右から左に流しつつ、ゆっくりと走り続ける。

「……、それにね。地学をちゃんと覚えると、設計も出来るんだよ。お家の設計図とか」
「……」
「テレビとかで見たことない? キャンバスみたいなのに、ぱぁっと設計図を書くの。自分がこんな家に住みたいなぁ、っていうのをさらさらって、書くの」
「……」
「だから資格も取りたいなぁ」
「……、……ねぇ」
「なに? 対木さんも、地学部興味ある?」
「全くない。そうじゃない」
「うん?」

 なんでそんな元気なのお前。

「ごめん……うるさかったかな」
「そうだね」
「あう」

 こいつにとってはジョギング以下のペースなんだろうが、私にとってはもうこれが限界だ。
 だから静かにしてくれ。


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