過去ログ - これは、幻想に打ちのめされた男の話
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2: ◆3vJ/24qVzU
2013/12/12(木) 22:43:47.18 ID:8zXUHEBao
「無い筈の物が有る」、「確かに居た筈の者が消える」。



 古来より人類は、自らの叡知では理解の及ばない事象の原因を何らかの超常的な存在に求めてきた。
以下略



3: ◆3vJ/24qVzU
2013/12/12(木) 22:45:08.65 ID:8zXUHEBao
 多くの場合、そのような伝説には、信仰の内容によった人間に対する教え、戒めが含まれてきた。
コメディチックで、笑い話で済むものもあれば、とても悲惨で残酷な話もある。
後者では、明らかに人間の愚行が原因のものが少なからず存在し、ある意味読み手の溜飲を
下げてくれるような話も少なくない。しかし中には、「どうして彼がこの様な目に」と
思ってしまうような、些か理不尽な話も見受けられる。昔話特有の設定の甘さか、
以下略



4: ◆3vJ/24qVzU
2013/12/12(木) 22:46:17.84 ID:8zXUHEBao





以下略



5: ◆3vJ/24qVzU
2013/12/12(木) 22:47:28.68 ID:8zXUHEBao





以下略



6: ◆3vJ/24qVzU
2013/12/12(木) 22:48:43.11 ID:8zXUHEBao
 科学文明が発達する以前、世界には多くの超常的存在がいた。それらは人々の信仰によって
存在を支えられており、種類によって様々な禍福を時折人間に振りまいた。
神と呼ばれたものは人間への施しで、悪魔や妖怪と呼ばれたものは人間に怖れられることで信仰を得て、
存在を確かにした。人間たちはそれを様々な解釈で信じ、言い伝えた。



7: ◆3vJ/24qVzU
2013/12/12(木) 22:51:24.76 ID:8zXUHEBao
 日本の山奥に、そういった人外たちが多く集まる場所があった。幻想郷である。
文明の発達により自分たちの存在の危機を感じた妖怪の賢者は、近世・近代に於いて
幻想郷を特殊な結界にて隔離。外の世界にて「幻想」と化したものが集まる地となった幻想郷は、
少しの人間と多くの人外の定住地となった。

以下略



8: ◆3vJ/24qVzU
2013/12/12(木) 22:57:46.29 ID:8zXUHEBao
 ……もしそうならば、人間が怪奇現象から得た教訓は強さを増し、その教えを守る者もきっと増えるに違いない。
その手の民間信仰は、自然への畏れを扱ったものが沢山ある。自然との調和を人間も多くなるだろう。めでたしめでたし。
既に幻想と化したものを、事実と捉えることができる人間たちという、無理な仮定の中での話だが。


9: ◆3vJ/24qVzU
2013/12/12(木) 23:01:05.70 ID:8zXUHEBao
 しかし現代に於いてこそ幻想であれ、確かに過去の事実であったことに変わりはない。
つまり、民話の中の矛盾や理不尽も、それの犠牲者の存在も事実であるということだ。
強大な存在が寛大な心を持ち合わせているとは限らない、気紛れで弱者をいたぶることすらある。
それが妖怪に無いとどうして言えようか、そういった怪異も自然の一部、つまり災害と捉えれば、
仕方がないと思えようか、いや、ない。相手の意思を伴った行動によって自分を害されたとき、
以下略



10: ◆3vJ/24qVzU
2013/12/12(木) 23:03:45.47 ID:8zXUHEBao




 幻想は、必ずしも理想とは限らない。あって欲しくないものも想像してしまうのが人間だからだ。


11: ◆3vJ/24qVzU
2013/12/12(木) 23:08:01.45 ID:8zXUHEBao




 これは現代にて、運悪く幻想に打ちのめされた男の話だ。


12: ◆3vJ/24qVzU
2013/12/12(木) 23:09:26.91 ID:8zXUHEBao





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