過去ログ - 美穂「一期一会のアルペジオ」
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38: ◆CiplHxdHi6[saga]
2013/12/14(土) 01:01:15.00 ID:9Oq90F5Q0
御袋さんはなぜかニヤニヤしながら俺のコップにお酒を注いでくれる。何か変なことを言っただろうか?

トップアイドルになれると言うのはお世辞じゃなくて、本心からそう思っている。
確かにもっと探せば、より良い原石はいるかもしれない。
だけど輝かせたいと、魅力を日本中に伝えたいとここまで強く思えたのは、彼女が初めてだった。
以下略



39: ◆CiplHxdHi6[saga]
2013/12/14(土) 01:04:22.21 ID:eGqHUSm40
「お父さん、寝るなら布団で寝ないと!」

「まぁまぁ、お父さん、寂しいのよ。お酒でも飲まないとやっていけないぐらいにね」

御袋さんも遠くを見るかのような、寂しそうな目をして言う。
以下略



40: ◆CiplHxdHi6[saga]
2013/12/14(土) 01:05:57.26 ID:9Oq90F5Q0
「ありがとう。それより、プロデューサー君」

「はい、なんでしょうか?」

「君、美穂がタイプなの?」
以下略



41: ◆CiplHxdHi6[saga]
2013/12/14(土) 01:07:50.11 ID:97eMtu660
「あ、あはは」

「う?」

互いに顔を見るのが恥ずかしくなり、そっぽを向いてしまった。これじゃあまるで初心な中学生カップルだ。
以下略



42:「う?」 →「う〜」 ◆CiplHxdHi6[saga]
2013/12/14(土) 01:10:15.86 ID:9Oq90F5Q0
――

「うーん、どうしよう」

プロデューサーが帰った後、私はラジオを聴きながら机に置かれた紙と睨めっこしていた。
以下略



43: ◆CiplHxdHi6[saga]
2013/12/14(土) 01:13:11.06 ID:/LPBQH1v0
『それじゃあ次のお便りを紹介しますねっ!』

真っ先に浮かんだのは、今聴いているラジオのパーソナリティーの名前だった。

島村卯月――。私と同じ年齢にも関わらず各種メディアに出ずっぱりの、
以下略



44: ◆CiplHxdHi6[saga]
2013/12/14(土) 01:16:06.39 ID:9Oq90F5Q0
『また来週っ! お相手は、島村卯月でした!』

「うーん、困ったなぁ」

あれこれ悩んでみたものの、結局私は翌日の日曜日になっても思いつかず、1日を終わらせてしまった。
以下略



45: ◆CiplHxdHi6[saga]
2013/12/14(土) 01:17:57.87 ID:uBgKETph0
月曜日。朝起きるとプロデューサーからメールが来ていた。どうやら学校には話が付いたようだ。

「……」

今ならまだ間に合う。怖くなりました、自分には出来ません。そう言えてしまえばどれだけ楽なことか。
以下略



46: ◆CiplHxdHi6[saga]
2013/12/14(土) 01:20:05.04 ID:9Oq90F5Q0
「ってことは美穂ちゃん東京に行くのかぁ、寂しくなるね」

「うん。自分でもまだ、あんまり実感がない、かな」

アイドルにスカウトされたのがほんの2日前のこと。
以下略



47: ◆CiplHxdHi6[saga]
2013/12/14(土) 01:22:31.38 ID:CqPhwtAx0
「ダズリンプロダクション……。ほほー、本格的ですなぁ。どこの事務所か知らないけど」

「新しく出来たばっかりだから仕方ないよ。で、今趣味と意気込みと自己PRで悩んでて。意気込みは自分で考えなきゃいけないんだけど、自分がアピールできるところって、パッと出てこなくて」

「成程成程、私の魅力って何? ってとこね。そうだねぇー、美穂ちゃんのアピールポイントは……」
以下略



48: ◆CiplHxdHi6[saga]
2013/12/14(土) 01:28:45.16 ID:9Oq90F5Q0
友達が大声で囃し立てるものだから、予鈴が鳴っても私の周りにはぞろぞろと人が集まってくる。

「小日向さんの良いところ? そうだね、やっぱり癒し系ってとこじゃない?」

「いやいや、やっぱ歌じゃない? 前カラオケに一緒に行ったけど、凄く上手かったし! 選曲もマッキーって渋いよね!」
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