過去ログ - 佐久間まゆ「いつもあの子がそばにいる」
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aho
◆Ye3lmuJlrA
[sage]
2013/12/16(月) 21:46:00.71 ID:pFDECU7w0
◆
ちょうどオフが重なる日を見計らって、まゆは小梅を自分の部屋へと誘った。
お昼時に呼び鈴が鳴ったので玄関の扉を開けると、いつも通り両手をパーカーの袖で隠した小梅が、ちょこんと立っていた。
「こ、こんにちは、まゆさん」
「ええ、こんにちは小梅ちゃん。来てくれて嬉しいわ」
「う、うん、私も、誘ってくれて……」
玄関に招き入れられながら言いかけた小梅が、言葉の途中で硬直する。
リビングへと続く廊下と天井は、プロデューサーの写真とポスターが貼り付けられたまま、隠されていなかった。
「さあ、上がって」
「あ……お、お邪魔します……」
小梅はまゆに声をかけられると、ちょっと慌てた様子で靴を脱ぎ、室内に上がる。
廊下を歩いているときもリビングへ通されてからも、どこかワクワクしているようにちらちらと周囲を見ているのが分かった。
「小梅ちゃんはトマトジュースで良かったのよね?」
「う、うん……あ、紅い飲み物、好き……」
「うふ。私もよ」
真っ赤なトマトジュースを注いだコップを二つテーブルに置き、二人でにっこりと笑い合う。
ストローに口をつけて紅い液体を啜る小梅は、なんだかとても上機嫌に見えた。
「小梅ちゃん、なんだか楽しそうね」
「ん……う、うん」
小梅はプロデューサー関連の物品で埋め尽くされた部屋をぐるりと見まわして、頬を紅潮させる。
「そ、想像通りの、素敵な部屋……ホラー映画で、こういう部屋、見たことある……」
「まあ、楽しそうな映画ねぇ」
「う、うん。恋する女の子の映画……」
「切ない恋愛物語かしら?」
「せ、切ないっていうか……切ってた」
そんな風に楽しく和やかにお喋りをして、トマトジュースがなくなった頃。
まゆはようやく、本題を切り出した。
「最近、私の部屋に遊びに来ているのは、小梅ちゃんのお友達よね?」
「……う、うん」
小梅は頷き、少し恐れるように目を伏せる。
「ご、ごめんなさい……」
「どうして謝るの?」
「あの……か、勝手に入ったから……あと、怖がらせちゃって……」
「そう……じゃあやっぱり、この部屋で……ええと、いろいろしていたのも、そのお友達なのね?」
「う、うん……」
小梅は申し訳なさそうに俯き、身を縮めながら言う。
「あ、あの子……まゆさんのこと、好き、って……」
「ええ、そう言ってくれたって教えてくれたわね」
「う、うん……それで、まゆさんを喜ばせたい、って」
「そう……それで、プロデューサーさんに関係する物を増やせば、私が喜ぶって考えたのね?」
それは、礼子からアドバイスをもらって以降、考えた末に辿り着いた推論だった。
案の定、小梅はこくりと頷く。
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