過去ログ - やはり雪ノ下雪乃にはかなわない
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1:黒猫
2013/12/18(水) 19:15:31.59 ID:zZX/D2Bw0
比企谷八幡は今日もけなげに部室に行く。主夫志望といっているが、今のこの姿はサラリーマといっていい
だろう。ただ、いつもと違うところがあるとすれば、男子高校生が持つには不似合いなぬいぐるみが入って
いる紙袋を持っているところだ。クラスメイトがこの姿を見れば、ついにぬいぐるみ相手に独り言を言い始
めたかとドン引きしてしまうだろう。
 といっても、そんなかわいそうな目で見られないような対策はしていた。教室では、誰にも見つからない
ように袋の奥に隠していた。ほんの思いつきで始めた今回の作戦のために、今まで以上の好奇の目を向けら
れるような行動は避けねばならない。
 そう。このぬいぐるみを偶然(ここ重要! 蛍光ペンでアンダーラインすべき)発見してもらう人間は一
人でいいのだ。
 でも、なんで蛍光ペンでマークしたところほど暗記できないの? しかも、5色くらいのマーカーで目が
ちかちかするような教科書にするやつほど、テストの点悪いし。そーいや、由比ヶ浜は十二色入りの蛍光ペ
ンセット買ったって、部活の時雪ノ下に見せてたな。

「うす。」
 いつもと変わらないように挨拶をする。いつもほとんどしゃべらないんだけどね。
「あら。疲れ果てたサラリーマンがやってきたのかと思ったわ。比企谷君、こんにちは。」
「最初から俺だってわかってるんじゃねーか。それに俺は主夫志望だから、リーマンにはならねーぞ。」
「それは違うわ。正確にいうのならば、腐った目をして、会社の評判を落とすような人を誰も雇わないから、
あなたはサラリーマンになれないのではないかしら。」
「もう完全に最初から俺だってわかってるって自白してるでしょ。それって。」
 雪ノ下は俺との会話に飽きたのか、本に目を戻そうとした。だが、俺がさりげなく雪ノ下が気がつくように
もった紙袋に目がとまる。
 ぬいぐるみを入れるにはやや小さい紙袋からは、パンさんの顔が出ている。ちょっと考えれば、いかにもわ
ざとらしい行動だ。
 人をだますのではあれば、わざとらしすぎるが、人をおちょくるには、わざとらしすぎるほうが効果てきめ
んだ。思惑通り雪ノ下は、俺の誘いにのってきてくれたようだ。
 最初こそちらみを装っていたが、好奇心がかったのがガン見している。どんだけパンさん好きなんだよ。
雪ノ下のコレクターレベルって、アキバのコレクターと互角なんじゃないの?
「比企谷君。その紙袋に入っているパンさんって、今クレーンゲームでとれる3種類のパンさんのうちの一
つかしら?」
「お前は何でも知ってるな。」
「この前も言ったけど、プライズ商品も一応調べて入るのよ。」
 やはり「なんでもは知らないわよ。知ってることだけ。」とはかえしてはくれないんだな。


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