過去ログ - 【モバマス】「こんなにも幸せな傷あと」【佐城雪美】
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[saga]
2013/12/20(金) 22:21:27.32 ID:NFA4OfSv0
「まゆさんは……アイドル……辞めようとしたこと、ある?」
「辞めざるを得なくなっていたかもしれない、という意味でなら、ありますねぇ。今、まゆはアイドルですけど、それよりずっと高い確率で、普通の学生として過ごすまゆがいたと思います。ただ、実際には、まゆをアイドルの道に引き戻してくれた人がいましたからねぇ。まゆの人生を普通じゃなくした責任だけは、うふ、取ってもらわないと」
今までとは雰囲気が違う……なんだか背筋がぞわぞわする感じの笑い方を、まゆさんはする。
「といいますか、雪美ちゃんはアイドルを辞めたいんですか?」
「今回のお仕事……私から、プロデューサーに、お願い、した……」
まゆさんが、目をぱちくりさせた。
「でしたら、まゆの早とちりでしたかねぇ。雪美ちゃん、さっきから、全然乗り気に見えません」
「私……どうやって、アイドル……続けたらいいのか、わからなく、なった……」
「ふうん? それは、どうして?」
「……みんなに分けてあげられるほど、楽しいを、感じられなくなったから……」
「それでも、アイドルを続けるんですか?」
私の喉から……言葉が出てこなくなる。
代わりに、肩が震えて……目の前がくらくらして。
倒れそうになったところを、まゆさんに、ペロごと抱き締められた。
「ごめんね、まゆが悪かったです」
まゆさんは、私と目を合わせずに、ペロの頭をなでる。
「これからのこと、まゆのひとりごとだと思って、聞き流してくれて構いません」
「え……?」
「さっき、学生として過ごすまゆの話をしましたけど、それはそれで、まゆ、幸せだったんじゃないかと思います。まゆの代わりはまゆしかいない……確かにそうでしょうね。でも、代わりがいなくたって、誰かの世界は回ります。まゆや誰かの幸せが、そこにしかないなんて、きっと思い上がりなんです。こことは別の居場所で幸せになれるなら、その人生を、雪美ちゃんが大切に思う人たちは祝福してくれるんじゃないですか?」
プロデューサー……優しいから、きっとそう。
私のこと……責めたりしない。
「アイドルをやめることが、そのまま、不幸ってわけでは絶対ないです。逆に、アイドルを続けることが幸せってわけでもないでしょうね。ただもし、雪美ちゃんがアイドルを続けるなら、まゆたちはライバルであり、仲間です。それ以外の人生を選べば、見ることの叶わない景色を、一緒に見られるかもしれません。それはとっても、素敵なことだって……まゆは思います」
まゆさんの微笑みは……まぶしくて。
その光は、私が忘れてしまったものに似ている気がした。
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