過去ログ - 【モバマス】「こんなにも幸せな傷あと」【佐城雪美】
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[saga]
2013/12/20(金) 22:24:21.80 ID:NFA4OfSv0
翌朝、お手紙、なかった。
代わりに、プロデューサーから電話。
今から会いたいって。
うんって言うと、すぐに迎えに行くって言われて、電話が切れる。
私は精一杯のおめかしをして、ソファに座って、ペロと一緒に待つ。
膝の上で、丸まって眠るペロを見てると……初めて会った日のこと、思い出す。
もう何年も前のクリスマス……ともだちが欲しいって、お願い……した。
頑張って起きてようとしたけど、できなくて。
翌朝、ほっぺたをぺろぺろって誰かが舐めてるのに気づいて、目を覚ました。
その瞬間から、私とペロは、家族になった。
アイドルになってから、たくさん、ともだち、できたけど……。
今でも、ペロが、いちばんのともだち。
うとうとしてたら、車の音が聞こえて……私は立ち上がる。
家を出る前、ママが私を抱き締めて、ほっぺたにキスしてくれた。
「愛してるわ、雪美」
そう言うママの目……涙が浮かんでた。
どうしたんだろう……?
「それじゃあ、行ってくる……」
迎えに来てくれたプロデューサーの車に乗り込む。
「どこに……行くの?」
プロデューサー、答えてくれない。
車が動き出して……助手席の私はもう何も言わない。
無言のまま……しばらくすると、ペロが、にゃうって鳴いた。
「どうか……した?」
ペロ……窓から外を見ながら、何度も鳴いてる。
それが悲鳴みたいに聞こえて……私は心配になる。
「プロデューサー……ペロが……」
前を向いたまま、プロデューサー、なにも言わない。
ペロは、おかしいぐらいに、にゃあにゃあって鳴いてる。
私がなだめようとしてもだめで……。
鳴き声は、だんだん、苦しそうなものになっていく。
そのひと鳴きひと鳴きが、心に傷をつけるみたい。
「ペロ……ペロ……!」
助けてって、プロデューサーを見ると……彼の表情は、辛そうで。
「ペロは、苦しそうにしてるのか?」
「すごく……苦しそう」
膝の上のペロ……ぐったりして、震えてた。
「……どうしよう……どうしよう……」
私の手……どうしようもないぐらいに震えて……動かない。
「そうか……苦しんでるんだな。今でも。それほどに」
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