1: ◆mfj2eJ7y7c
2013/12/25(水) 00:13:04.05 ID:9UmUzo2DO
その日、俺は友人と久しぶりに会っていた。
「実はな、開発中のサプリについて、お前の意見を聞きたいんだよ」
友人は健康食品や化粧品製造メーカーのサプリメント開発担当だった。喋りながら錠剤の入ったピルケースを取り出して見せてくる。
「これは巨乳になるサプリだ」
時折雑誌やネットの広告で見かけるアレだ。
「へー。どれぐらい効果あるの?」
「飲んでから二時間程度でAAカップがDカップになる」
「マジ? すげーじゃん!」
この話が本当なら、今までの常識を覆して一大センセーショナルを巻き起こすような大発明だろう。
「ただ問題があってな」
友人は話の要を切り出してきた。
「男にしか効かないんだ」
SSWiki : ss.vip2ch.com
2:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2013/12/25(水) 00:14:41.04 ID:9UmUzo2DO
※ニュー速VIPでやってたスレの立て直しです
3: ◆mfj2eJ7y7c[saga]
2013/12/25(水) 00:15:36.07 ID:9UmUzo2DO
「なんだそりゃ!?」
「だから困ってるんだよ。何か上手い使用法は無いかと思ってさ」
誰が特をするんだよこんなサプリ。
4: ◆mfj2eJ7y7c[saga]
2013/12/25(水) 00:16:35.71 ID:9UmUzo2DO
「俺が!?」
突拍子もない話だった。そんなのは広告代理店にでも頼んだ方が良いに決まっている。しかし友人は首を振った。
「内緒でやりたいんだよ。こっそり開発してても、どこで横槍が入るか分からないし」
5: ◆mfj2eJ7y7c[saga]
2013/12/25(水) 00:18:21.20 ID:9UmUzo2DO
友人の頼みをどうしたものか、俺は思案しながら帰宅の途についた。
「ただいまー」
自宅の玄関ドアを開けると、スリッパの音を響かせて少女が現れた。
6: ◆mfj2eJ7y7c[saga]
2013/12/25(水) 00:19:58.09 ID:9UmUzo2DO
弟は元々線が細く、女の子に間違われる事も良くあったが、ごく普通の少年だった。
変化があったのは俺と二人暮らしを始めてから。学校や外では今まで通りだが、家の中で女の子の格好をする様になった。
『お兄ちゃん、この方がかわいいでしょ!?』
7: ◆mfj2eJ7y7c[saga]
2013/12/25(水) 00:21:43.38 ID:9UmUzo2DO
「巨乳になるサプリ!?」
夕食の席で、弟に今日の出来事を話していた。
「うん、頼まれてな。ほら化粧品メーカーの」
8: ◆mfj2eJ7y7c[saga]
2013/12/25(水) 00:27:58.35 ID:9UmUzo2DO
「お前が!?」
「うん! 面白そうだし、飲んでみれば良い考えも浮かぶんじゃないかな?」
上目遣いでこちらを伺っていた。興味津々な様子だ。
9: ◆mfj2eJ7y7c[saga]
2013/12/25(水) 00:32:22.53 ID:9UmUzo2DO
食後、ソファーで二人並んで座りながら、巨乳サプリと水を用意した。
「じゃあ飲もうかな……えい」
「んっ!?」
10: ◆mfj2eJ7y7c[saga]
2013/12/25(水) 00:35:00.12 ID:9UmUzo2DO
「うわ! どうしよう!」
「……お兄ちゃんドジっ子だなあ」
「お前のせいだろ!」
11: ◆mfj2eJ7y7c[saga]
2013/12/25(水) 00:37:34.00 ID:9UmUzo2DO
「はあ、はあ……おっきくなっちゃった……」
こいつは普段からパッド入りの部屋着を着ているが、今の胸は目に見えて円みを帯びていた。
「おお……これは」
12: ◆mfj2eJ7y7c[saga]
2013/12/25(水) 00:47:47.91 ID:9UmUzo2DO
「やめ……やめろっ!」
「……このサプリ、胸や乳首は敏感になるみたいだね」
俺が強く言うと手を離した。確かにそういう効果はある様だ。
13: ◆mfj2eJ7y7c[saga]
2013/12/25(水) 00:50:10.43 ID:9UmUzo2DO
「……っ!」
思った通り、こいつの乳房は俺の手にすっぽり収まった。肌が柔らかく俺の掌に吸い付いてくる。
「オッパイだけじゃなくて乳首もこんなに大きくなるんだな」
14: ◆mfj2eJ7y7c[saga]
2013/12/25(水) 00:54:10.79 ID:9UmUzo2DO
──とは言うものの、何やらイケナイ事をしている気分になってきた。効果のほどを知るにはこれくらいで充分だろう。
「いや、もう終わりにしよう」
「えー……」
15: ◆mfj2eJ7y7c[saga]
2013/12/25(水) 00:56:35.38 ID:9UmUzo2DO
「じゃあお兄ちゃん、これから毎日このサプリ飲んでねっ」
「やだよ! 女の子と良い雰囲気になったら困るじゃないか」
「……それってこのサプリの売り文句に使えると思わない?」
16: ◆mfj2eJ7y7c[saga]
2013/12/25(水) 00:59:01.83 ID:9UmUzo2DO
「そういうもんか?」
「そういうもんなの。潔白なら飲みなさいって事だね」
有無を言わさない、押しの強い意見だった。
17: ◆mfj2eJ7y7c[saga]
2013/12/25(水) 01:01:39.86 ID:9UmUzo2DO
俺が営業や販売のアイデアをいくつか考えて友人のところへ持って行くと、じゃあ自前の会社作っていろいろ売り込んでみようか、という話になった。
「面白そうじゃないか。効果は確かなんだから、当たればデカいぞ」
「当面の資金繰りはどうする?」
18: ◆mfj2eJ7y7c[saga]
2013/12/25(水) 01:03:05.93 ID:9UmUzo2DO
発売当初はジョークグッズの一種と見られて目立たない存在だった。
ところが、動画サイトでサプリの使用効果をアップロードしはじめる人間が現れると、インターネットニュース界隈で話題となった。
そしてタブロイド誌や写真週刊紙が追随して特集を組み始め、テレビのワイドショーで取り上げられるまでになると、販売数が伸びて小売店でも品薄になっていった。
「社長、巨乳サプリの在庫の問い合わせが後を絶たないぞ」
19: ◆mfj2eJ7y7c[saga]
2013/12/25(水) 01:04:27.92 ID:9UmUzo2DO
メディアの格好の話題になると、様々な議論を呼び起こした。主に倫理的な面からが多かった。
男はパートナーの女性に肉体を変化させてまで従わなければいけないのか、男性へのセクハラ・モラハラ対策は、いやそもそも自然の摂理に反しているetc……。
「万全だ。各種団体や報道機関への根回しは済んでいる」
20: ◆mfj2eJ7y7c[saga]
2013/12/25(水) 01:06:44.62 ID:9UmUzo2DO
「お兄ちゃん、お帰りなさい。今日の晩御飯は酢豚だよ」
今日も美少女が俺の帰りを待っていてくれた。まあ弟なんだけど。
弟は居間でインターネットを閲覧していた様だ。
21: ◆mfj2eJ7y7c[saga]
2013/12/25(水) 01:10:01.03 ID:9UmUzo2DO
「うん、大きさ良し、形良し、硬さ良し、今日も良いオッパイだ」
「うん……」
両手で丹念に揉みながらバストチェックをした。
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