過去ログ - 夏海「これまでも、これからも」雪子「私も」
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77: ◆VJRQu9X6ME[saga]
2013/12/25(水) 21:25:34.01 ID:6Tmg2yryo
蛍「あの、ごちそうさまでした」

蛍ちゃんが、器を持って台所へやって来た。

雪子「そんな、手伝ってもらわなくてもいいのに」
以下略



78: ◆VJRQu9X6ME[saga]
2013/12/25(水) 21:27:52.41 ID:6Tmg2yryo
私たちは居間へ向かい、食器を片づけた。

蛍ちゃんと一緒に、皿をひとまとめにした。

食器を洗うとまで言ってくれたが、さすがにそこまでしてもらう訳にはいかず、部屋に返した。
以下略



79: ◆VJRQu9X6ME[saga]
2013/12/25(水) 21:29:40.55 ID:6Tmg2yryo
蛍母「すごいですよ、卓くん! ほんと、プロみたいで」

蛍ちゃんのお母さんは子供のように声を上ずらせながら言った。

蛍母「ボヘミアンラプソディのソロを完璧にコピーしてて! あれ聞いたらみんな興奮しますよ!」
以下略



80: ◆VJRQu9X6ME[saga]
2013/12/25(水) 21:33:41.74 ID:6Tmg2yryo
子供達は、居間から夏海の部屋に移動したようだ。

ところで、飾り付けは誰が後始末をするのだろうか。

まさか私に押しつけられることはあるまい。
以下略



81: ◆VJRQu9X6ME[saga]
2013/12/25(水) 21:36:29.57 ID:6Tmg2yryo
雪子「え? いや、結構ですよ、そんなの」

楓「なんも言わずに受け取ってください。これ渡しとかないと後でれんげがうるさいんで」

雪子「はい?」
以下略



82: ◆VJRQu9X6ME[saga]
2013/12/25(水) 21:39:12.09 ID:6Tmg2yryo
台所に戻ると、ちょうど8時になったところだった。

私たちは話を再開する。同じ世代の人間と話をする機会は最近なかったので、積もり積もった話を消化していくうちに時間が過ぎていった。

蛍ちゃんのお母さんも同じような感覚らしかった。
以下略



83: ◆VJRQu9X6ME[saga]
2013/12/25(水) 21:41:42.78 ID:6Tmg2yryo
私は食べてしまったお菓子の袋を捨てに来たこのちゃんに、そろそろお開きにするとの伝言を言い渡した。

このみ「ああ、この役後で絶対恨まれるんですよね……」

雪子「ごめんね」
以下略



84: ◆VJRQu9X6ME[saga]
2013/12/25(水) 21:43:59.10 ID:6Tmg2yryo
口々に言いあっているのを、小鞠が制止した。

小鞠「はいはいみんな、行くよ。せーの」

一同「今日はありがとうございました(なのん)」
以下略



85: ◆VJRQu9X6ME[saga]
2013/12/25(水) 21:46:18.81 ID:6Tmg2yryo
外は真っ暗闇で、開け放した玄関からの明かりが積もった雪に染みわたるようだった。

それがどことなくロマンチックで、しばらく見とれてしまった。

一穂「れんちょん、帰るぞー」
以下略



86: ◆VJRQu9X6ME[saga]
2013/12/25(水) 21:48:36.06 ID:6Tmg2yryo
夏海は私の言うことを聞いているのか、身じろぎもしなかった。

どことなく思いつめた表情だった。

雪子「どうしたの」
以下略



87: ◆VJRQu9X6ME[saga]
2013/12/25(水) 21:51:24.69 ID:6Tmg2yryo
しばらく驚きで動けなかった。

なぜ、なぜ夏海の口からそのような言葉が。

その言葉の意味を、脳内でじっくり噛みしめようとしたが、あまりのことに全く実感がわかなかった。
以下略



88: ◆VJRQu9X6ME[saga]
2013/12/25(水) 21:53:39.59 ID:6Tmg2yryo
夏海「母ちゃん、クリスマスプレゼントだよ。昨日買って来たんだ」

はにかみ、体を照れくさそうに左右にゆすりながら、しかし強い語気で言いきる夏海。

私の手に、花束が渡された。
以下略



89: ◆VJRQu9X6ME[saga]
2013/12/25(水) 21:55:29.07 ID:6Tmg2yryo
夏海「なに言ってるんだよ。いつも母ちゃんは私たちのためにご飯作ってくれたり、掃除してくれたりしてるじゃん」

雪子「でも……」

夏海「母ちゃん、私のために叱ってくれるじゃん」
以下略



90: ◆VJRQu9X6ME[saga]
2013/12/25(水) 21:58:07.23 ID:6Tmg2yryo
もちろん、今の私は夏海を叱る気など毛頭なかった。

ひたすら、なんていい娘を持ったんだ、という思いだった。

この子の育て方を、私は間違えたわけではなかった。
以下略



91: ◆VJRQu9X6ME[saga]
2013/12/25(水) 22:00:47.18 ID:6Tmg2yryo
夏海「それとさ、これも」

長い沈黙を破って、夏海が言った。

夏海は後ろ手に隠していたものを私に差し出した。
以下略



92: ◆VJRQu9X6ME[saga]
2013/12/25(水) 22:02:09.85 ID:6Tmg2yryo
その夜も寝付けなかった。

しかし、いつもの暗い気持ちのせいではなかった。

心が浮ついて仕方がなかった。
以下略



93:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2013/12/25(水) 22:03:58.52 ID:6Tmg2yryo
長々とお付き合いいただきありがとうございました
アニメから入ったにわか勢ですもので、設定におかしいところ等あったかもしれません。許して下さい


94:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2013/12/25(水) 22:12:31.67 ID:f4H5Kfp1O
乙です
良い話だった


95:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2013/12/25(水) 22:28:42.84 ID:ZRT1ZCpro
乙!感動した


96:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2013/12/25(水) 23:43:39.50 ID:ntYRGbJRo
なんだかんだ夏海は母ちゃん大好きなんだよなぁ


97:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2013/12/27(金) 18:13:23.74 ID:AChSXgbAO
>>73で同時進行のSSと繋がってるんだな

雪子ママやなっつんにはこういう一面もあるんだと信じてた
自分も母親に何かしようと思えた暖かいSSだった


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