9:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2013/12/31(火) 03:06:55.35 ID:6yBCWbRi0
  
 「貴音?」 
  
 響の声に、貴音の意識が再び現実へと引き戻された。 
  
 「どうした貴音ー。ぼうっとしちゃって」 
  
 「……すみません。やはり何事も、初めては気後れするものなのですね」 
  
 気付けば貴音の手には、じんわりと汗が滲んでいた。 
  
 (幻視……? でも、あの感覚は……) 
  
 「貴音が気後れなんて珍しいね。遠慮せずに上がって上がって!」 
  
 「……はい、お邪魔します。響、いぬ美殿」 
  
 わん、といぬ美が応える。 
 貴音は靴を揃えて、響の家に上がった。 
  
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