過去ログ - 男「お前、本当にアンドロイドなのか」AI「なんでんなこと聞くんだ?」
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14: ◆NrFF2h.q26[saga]
2014/01/16(木) 14:02:25.90 ID:6FWh8EjZO

〜AI起動五日目〜



本日、第二地球日本予定地、晴れ。
湿度、温度、共に地球の日本2000年代冬の気候と同じと思われる。



AI「おい、なんで服が同じ種類のヤツしかないんだ?漫画の登場人物かよ、シャツとデニム一択で五年も過ごす気だったのか!?」

男「それだな……服なんて適当でいいかと思って、まぁシャツは色を変えてるが、全部ポロシャツにしたのは明らかな失敗だった」

男「ボタンを留めるのが面倒なんだ。一応白衣を着るのに合うかと思ってポロシャツにしたのは、唯一のミスだ」

AI「そこ!?」



戯言を話しながら、第二地球各地で活動している整備機械の様子を暇潰しに見てみる。
作業風景を中継する立体画像がずらーっと浮かんでいるこのモニタルームを見ていると、神様はこんな気持ちで地球や火星の成り立ちを見てきたのだろうか、と思う。
俺は何も手を施していない。
土地を整備しろよと命じているだけだ。
実際に手を施してるのは一つ一つの立体画像に小さく映る整備機械たち。
毎日毎日土砂を運んで土地をならし、森を整備し、海を埋め、川を作り。
俺があのロボットだったら大変だろうな、よくやるな、という上から目線のこの気持ち。



火星の環境は全てドームで管理している。
ドームは国毎に作られていて、アメリカや日本は巨大なドーム一つをまるっと自国のテリトリーにしている。
一方、貧しい国々はドーム一つにある程度の地域で分けられ、一纏めにされている。
だが、どのドームも地球より快適な環境だ。


とは言え地球から移住したばかりの頃、環境の変化にかなり混乱が生じたため、各国のドームはある程度ではあるが、地球にいた当時の環境にならった設定にしている。
気候と文化は密接に関係しているから、文化保護の観点からも必要なことだったのだろう。


文化を保護して何になる?と思う者もいたと言うが、偽物の地球の地上で暮らす人間には、それが存外重要なモノになっていた。
文化は国が国たる重みで、人間はそのどっしりとした枠に支えられなければ、心の寂寞を抱えきれず生きていけなかっただろう。


だが第二地球ではそうもいかない。
地球のロシアみたいな極寒の地もあるし、エジプトみたいに砂漠ばかりの土地がある。
第二地球のどこに自国の土地を割り当てられるかは、この第二地球開拓計画にどれだけ投資していたかで決められた。
日本はアメリカについで、資金面や技術面の双方において投資していたので、地球の日本と同じような温暖で四季のある、条件の良い気候を持つ大陸を取れた。
だが、国力のない国はどうなるか分からない。
地球では常夏の国だったところが、この第二地球では宵闇の極寒の国になるかもしれない。





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