過去ログ - 川島瑞樹「今はまだ『川島さん』で我慢してあげる」
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10:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします
2014/01/15(水) 01:19:36.64 ID:54l9mAuh0

さて、この酔っ払いからどうやって酒を取り上げるかを思案していると、

「これは……想像よりも二回りほどひどいわね」

突然、聞き覚えのある声が俺の背中を叩いた。

「は?」
「あ〜、瑞樹さん!」

慌てて振り向くよりも前に、その人物に気付いたちひろさんが声をあげる。

「川島さん、なぜここが……って、まさか尾行を?」
「私もそこまで暇ではないわ。ま、色々あってね。それより、同席しても良いかしら?」

振り向くと、確かにそれは川島瑞樹その人だった。
川島さんの服装が事務所を出たときとは違っているから、尾行されたわけではないのは確かなんだろう。一体どういう経緯を経てこの場にいるのかは謎だが……
というか、この状態のちひろさんをあまりアイドルに晒すのは良くない気がする。

「……どうなんです、ちひろさん?」
「え〜、良いじゃないですか。大勢で飲んだ方が楽しいですよぅ」

そう思ってちひろさんに振ったのは、まぁ俺の完全なる判断ミスであり人選ミスだろう。
酔っ払いに正常な判断を期待するほうが間違いだった。

「良いみたいね」

ちひろさんの許可を得て、川島さんが席につく。ちひろさんに判断を任せる形になってしまった以上、文句も言えない。
仕方ないので、ちひろさんと川島さん、双方ともひどいことにならないように俺が監視するしかないか。
幸か不幸か、ちひろさんはもう完全に出来上がっているので、それを理由にお開きになるのも時間の問題だろう。

「あ、お姉さん、梅酒、ロックでお願い」
「あれ、案外可愛いものオーダーするんですね」
「素面の状態で酔っ払いを目にすると、自制心が働いちゃうものよ」

俺の言葉に、川島さんは小さな溜息とともにそう返した。
さすが大人。きっちり節度を弁えてくれるあたり、どこぞの事務員とはえらい違いだ。



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