過去ログ - 川島瑞樹「今はまだ『川島さん』で我慢してあげる」
1- 20
9:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします
2014/01/15(水) 01:17:11.88 ID:54l9mAuh0
 ・ ・ ・

というわけで、やって来たのは快速で二駅先にまで足を伸ばして、馴染みの店。
まぁ、何のかんのと仕事の愚痴やらプライベートの愚痴やらを吐き出しながら飲むこと一時間半ほど。

「だからぁ、P君は甘いんです!」
「もう、それは何度も聞いてますよ」

向かいに座った頼れる事務員はすっかりできあがってしまっていた。

「アイドルからも舐められてるじゃないですかぁ。もっとバシッと〜言うとこではちゃんと言わないとですよぅ!」

言っている事こそちひろさんらしいのだが、間延びした口調といい、机に肘をついてこちらを見上げている体勢といい、まるで威厳がなくなっている。

「ま、あれも信頼の延長ですよ」
「信頼と馴れ合いは別物ですよぅ。アイドルとの信頼関係は勿論重要ですけど〜、線引きもちゃんとしておかないと」

なにやら据わった目で力説しているちひろさんだが、

「それは分かってます。自分なりにやってますよ。今日だけで五回目ですけど、これ言うの」
「それはあれですかぁ、私が同じ話しかしてないと言いたい訳ですかぁ?」
「いえ、言いたいんじゃなくて言ってるんですけど」

まぁ、もう何度もしている話なので、俺の反応が薄いのも仕方がなかろうというものだと思う。

「むぅ、すっかり可愛げがなくなっちゃって、お姉さん悲しいです」

ジョッキに半分ほど残っていたビールをあおったちひろさんがそう言うが、

「誰がお姉さんですか。飲みに行く度に誰が家まで送ってると思ってんですか」

毎度毎度飲みに行く度に苦労させられている身としては、もはや年上という感覚がなくなっている。
飲みに行った時に限っては、むしろ妹にすら思えてくるくらいだ。

「んふー」

と、不意にちひろさんの表情が崩れて、なんとも気の抜けた声が出る。
なんというか、普段のちひろさんを知っている人間には信じがたいことなのだが、これが酔ったちひろさんのご機嫌ボイスなのである。

「何ですか、その笑い」
「何でもないですよーだ」

またしても、んふーと笑いながらそう言うちひろさんを見て、思わず溜息を吐く。
もう完全に酔っ払いである。感情の起伏が山の天気以上に気紛れになっている。そろそろ今日はお開きにした方が良いかもしれない。



<<前のレス[*]次のレス[#]>>
34Res/41.24 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice