22: ◆ukweaVAfH6[saga]
2014/01/17(金) 22:00:26.91 ID:dnfxQ29l0
店長「しかし今日は珍しかったな」
男「何がです?」
店長「お前がいつもと違う曲を2曲も弾いただろ?」
23: ◆ukweaVAfH6[saga]
2014/01/17(金) 22:05:33.41 ID:dnfxQ29l0
できるだけゆっくりと、壊れ物を扱うように自らの身体を洗って
浴室から出る。
男(もう眠っていると良いけれど)
24: ◆ukweaVAfH6[saga]
2014/01/17(金) 22:09:30.84 ID:dnfxQ29l0
店長「……娘……」
男「……」
僕が食べてしまった朝食を食べるべき人。
25: ◆ukweaVAfH6[saga]
2014/01/17(金) 22:15:39.78 ID:dnfxQ29l0
翌朝、朝食を食べる店長はいつもと変わらなかった。
僕もできるだけいつも通りでいられるように努めた。
朝の準備を終えて、相棒を引っ張りだした所で、
珍しく店長が僕の近くに腰掛けた。くたびれた丸椅子が可哀想だ。
26: ◆ukweaVAfH6[saga]
2014/01/17(金) 22:17:42.86 ID:dnfxQ29l0
休憩。
>>19様
コメントありがとうございます。
のんびりではございますが、ちまちま書いて参ります。
27: ◆ukweaVAfH6[saga]
2014/01/17(金) 22:46:51.42 ID:dnfxQ29l0
大きく息を吸い込んで初めの一音を慎重に打鍵する。
強弱記号に指示されているよりも更に弱く、それでいて確かな音が響くように。
下手くそな僕がそんなことを考えても、あっという間に破綻してしまうことは
目に見えていたけれど、僕の身体へのせめてもの抵抗だ。
28: ◆ukweaVAfH6[saga]
2014/01/17(金) 22:49:36.04 ID:dnfxQ29l0
余韻と言うには烏滸がましいけれど、妙な満足感に浸りながら
僕は店長に目を向けた。
呆けた様子の店長は僕の視線に気づいて、
29: ◆ukweaVAfH6[saga]
2014/01/17(金) 22:55:22.00 ID:dnfxQ29l0
店長が店の奥に戻ってしまって、僕の演奏を聴く人は誰もいなくなった。
後はいつも通りの曲のローテーションに戻るだけだった。
ローテーションに入ってすぐに店員さんが出勤してきたけれど、
僕には目もくれず、お店の中に入っていってしまった。
30: ◆ukweaVAfH6[saga]
2014/01/17(金) 22:58:45.23 ID:bXUUoVJp0
店員「じゃあお先失礼しますね」
店長「おう、お疲れさん」
その会話を聞いて、ようやく夕方になったことに気がついた。
31: ◆ukweaVAfH6[saga]
2014/01/17(金) 23:04:53.07 ID:bXUUoVJp0
お店を開けたまま食べる夕食の席で、珍しく店長は無言だった。
いつもの銀色の缶ビールではなく、ウイスキーを煽っていた。
僕は食事を終わった途端に相棒を弾き始める。
ヘッドホンから音を出すようにして、変わらないローテーションを始める。
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