38: ◆ukweaVAfH6[saga]
2014/01/17(金) 23:45:39.02 ID:bXUUoVJp0
僕が公園で凍えながら一夜を明かし、忘れ物に気づいて
店長の店に戻ると、
店長「すまんっ!」
39: ◆ukweaVAfH6[saga]
2014/01/17(金) 23:51:09.97 ID:bXUUoVJp0
店長「何の気の迷いだったのかは知らないが、お前がラヴェルを弾いて、あの女の子がショパンを弾いて、
急に怖くなったんだ。娘が二度と会えないどこか遠くに行ってしまうんじゃないかって」
男「……」
40: ◆ukweaVAfH6[saga]
2014/01/17(金) 23:56:34.94 ID:bXUUoVJp0
そう言って店の奥に引っ込んでしまった店長は心底しょぼくれていた。
男「それはそうと、店長からは何て連絡があったんですか?」
娘「あー……無言電話よ無言電話。何にもなし」
41: ◆ukweaVAfH6[saga]
2014/01/18(土) 00:00:35.98 ID:x25tlFGs0
男「その時に弾いていたのは?」
娘「きらきら星。しかも連弾用の」
男「……似合わないですね」
42: ◆ukweaVAfH6[saga]
2014/01/18(土) 00:01:27.11 ID:x25tlFGs0
休憩、第二弾。
43:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします[sage]
2014/01/18(土) 00:05:46.95 ID:P4jVgn+/o
ちょっとピアノ練習するか…
44: ◆ukweaVAfH6[saga]
2014/01/18(土) 00:12:19.38 ID:x25tlFGs0
僕はきらきら星の練習を続ける店長を想像して、ぴったりと今の僕に重ねあわせてみた。
ほとんど違いはないと思う。ただ、一つだけ違うのはその練習が誰かのためなのか、
自分のためなのかという事だけだと思う。
また一つ居場所を無くした僕に残された居場所は少ない。
45: ◆ukweaVAfH6[saga]
2014/01/18(土) 00:18:42.22 ID:x25tlFGs0
実家に帰るのは何ヶ月ぶりだろうか。誰もいないタイミングを見計らって
忍びこむように寄ることはあったけれど、滞在時間なんてほとんどなかった。
さすがに今回はそうも言ってられない。少なくとも昼間の間は、
この居心地の悪い居場所で、呼吸を殺さなくてはならないのだ。
46: ◆ukweaVAfH6[saga]
2014/01/18(土) 00:22:53.70 ID:x25tlFGs0
リビングに入ると同時に母は捲し立てるように
喋り出す。
母「あら!おかえりなさい!大丈夫?元気にしてた?風邪とか引いてない?」
47: ◆ukweaVAfH6[saga]
2014/01/18(土) 00:27:58.44 ID:x25tlFGs0
僕が思っていたよりも身体に疲れが溜まっていたらしく、
目が覚めた時にはもう静けさが辺りを包み込んでいた。
時計を確認するとまだ、ぎりぎり道の駅がやっている可能性のある時間だった。
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