31: ◆m03zzdT6fs[saga]
2014/01/28(火) 20:01:28.91 ID:evpz73Bjo
「君か。大手の部長の書類を持ってきてくれたのは」
『あ、はい』
「んー? ちょっと元気がないね、君。緊張する必要はないぞ」
別に緊張しているわけではなかったが、元気がないのは間違いのないことだろう。特に精神の疲労は相当なものだ。
「まあ、いい。それで、書類はどこかね?」
『ええと、これです』
俺はカバンの中から封筒を取り出すと、社長に手渡す。社長はそれを、さっきの男性に手渡すと、
「すぐに選別に掛かってくれたまえ。あの二人にも手伝ってもらうように、な」
そういうと、さっきの男性は承知しました、と言って再びエスカレーターを登っていく。
『……さっきの方は?』
思わず、社長に尋ねると、
「ああ、彼はうちのプロデューサーの一人でね。と言っても、彼を含めてまだ三人しかしないのだが、なかなか頭の切れる男だよ」
私の懐刀みたいなものだ、と笑っている。道理で、冷徹そうな声だったのだなあ、と思い出すだけでちょっと背筋が凍りそうになる。
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