過去ログ - 浜面×絹旗 気づかぬうちに窒素は燃えて【R-18】
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13: ◆BAKEWEHPok[saga]
2014/01/25(土) 08:40:54.24 ID:6sOATsfMo
(何やってたんですか私ー!!!)

バタンと玄関を閉めた直後、絹旗は胸中で叫んだ。
真っ赤な顔のまま、出たばかりのドアに背中を預け胸を両手で押さえている。
心臓の中で、何かが暴れているように鼓動が早く落ち着かない。

今まではノリというか、流されてやってしまっていたのだ。
浜面の前では取り繕っていたものの限度がある。

(おかしいじゃないですか。あんな超サービスしちゃった上に
 浜面なんかを可愛いとか思ったりするわけないんです!)

常識的に考えて、およそ最悪な部類の光景を目撃したはずだ。
浜面本人もよくわかっていたから土下座したのだろう。

ボロクズにされて路地裏に投げ捨てられるか、省略してマンションの窓から強制ダイブさせられてもおかしくない事態。
絹旗ならば片手で実行できたろう。
にも関わらず絹旗は、単純で馬鹿な浜面が泣いたり自分の脚で興奮するのを見て、何かをしてあげたくなってしまったのだ。

(……ま、まぁ、超セクシーとはいえ中学生の私に超興奮するなんて所詮童貞野郎です。
 私が相手してあげなきゃ、一生非モテ人生でしょう。
 少しぐらいはいい事ないと絶望で死んじゃいそうですからね。
 んー、だとしたら、あんなに切なそうで嬉しそうな浜面を見たのは、私が
 最初で最後になるんでしょうね……って超違うんですからー!)

ゴンと額を横の壁にぶつける。
窒素装甲のおかげで痛くはない。むしろ壁が欠ける。
突拍子も無い想像をして何故か得意げになってしまった。
この調子では浜面が更に何かを要求してきたら、もしかして応えてしまったかもしれない。

(それに、なんでザーメンついてるんですよう……)

引いていた左膝横とソックスの境目に、ほんのわずかだが精液が付着している。
窒素装甲は基本的に自動防御してくれるものであり、不意の攻撃なども通用しない。
もし通じるとしたならば、絹旗自身が無意識に、もしくは意識的に発動しないように
しているか、能力発動ができないぐらいに肉体と精神が弱っている時ぐらいだ。

(これじゃ私が、かけられるのを望んでたみたいじゃないですかぁ…………)

今は健康そのものなので前者。
絹旗自身が、射精に合わせて能力を弱めてしまった可能性が高い。
戦闘中どんな状況であっても、そんな事態に陥った事はなかったのに。

ポケットティッシュを取り出し拭いて、一瞬だけそれを見やったあと丸めて外に投げ捨てる。
どこかで洗おうと考えながらも自分の姿を見下ろし、口元をむにゅりと歪めて困った顔を作った。
望んでいるといえば、今の服装も気になったのだ。

浜面参入前は男の子と見間違えそうなボーイッシュな格好だったりしたが、今は際どいワンピースの着こなし。
以前着ていなかったという訳でもないし、意識していたつもりはなかった。
けれども。

(浜面が来て……私が超はりきってるように見えてたんじゃないんですか、これ? ……もー)

誰も張り合っていないだろうに、絹旗一人が突っ走ってしまっている。
そうとられてもしょうがない。

「超熱くなってますよ……」

絹旗は赤くなった頬に手をあてる。
自分では気付いていないだろう。
浜面が『アイテム』に参入してから、以前より柔らかく、楽しそうな表情をするようになっただなんて。
窒素が燃えるよりも在り得ない事だと。
今の絹旗では、そう笑え飛ばせないに違いなかった。


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