17:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします[saga]
2014/01/29(水) 21:23:18.51 ID:Y5VyRhna0
ほむら(そんなぁ……)
ついに涙が溢れてきた。
ほむら(うぅ……)
右も左もわからない道に取り残されて、もうどうしていいか分からなくなってしまったほむらは
取りあえず眼鏡を持ち上げて滲んだ涙を袖で拭った。
すると、前の方からキイ、とういう金属の擦れる音に続いて、扉の閉まる音が聞こえた。
ほむらははっと、顔を上げる。
その先に曲がり角は無く、路地は真っ直ぐ奥に伸びていた。
街灯よりも大きな明かりが見える。
ほむら(……)
ほむらは少女がそこにいると信じて、その明かりへ向かって歩き出す。
十歩も歩かないうちに、明かりの正体は判明した。
ほむら(お店……? それもなんか古そうな……)
路地を抜けた先に待っていたのは木造の何とも言えない味わいのある一軒家風の建物。
店はそことなく西洋風のつくりで煉瓦を敷き詰めて出来た道によくマッチしていた。
周りを見渡すほむら。
少しだけ拓けた袋小路に、ぽつんとその店が一軒あるだけで
他には何もないようだった。
ほむら(何のお店だろ……?)
壁に掛かる看板は汚れで字がかすれてしまっていて判読できなかった。
ほむらは最悪、少女がここにいなくても店の人に道を聞けばいいのだと思い、
中に入ることに決めた。
歯車のイラストが描いてあるドアを開ける。
先ほど聞いたものと同じ、金属製の蝶番が軋む音がした。
ほむら「わあっ……!」
中には様々な時計が、壁から棚まで所狭しと並んでいた。
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