21:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします[saga]
2014/01/29(水) 21:31:15.46 ID:Y5VyRhna0
光の中心で、夢の中の少女が佇んでいた。
ほむら「……!」
風に乗って少女の方から鼻歌が流れててくる。
ゆったりとしたメロディも相まって、光に浮かぶ少女の後ろ姿はどこか儚げで
ほむらの胸をきゅっ、と締め付けた。
「ふんふん……ふん……♪」
少女は歌いながらその場に屈み、足元に咲いたクローバーを一輪だけ摘みとってから
また立ち上がると、口遊む旋律に合わせて指先でくるくると葉を回転させた。
光が隔てた闇の向こうに紫色の二つの瞳と、猫に似た小動物の輪郭が浮かび上がる。
瞳が数回瞬きをしてから少女に言葉を投げかけた。
QB「君のその祈りは魂を差し出すに足るものかい?」
少女は答えず、手にしたクローバーの3つある葉の内の1枚をつまんで……
――引き千切った。
指から離れた葉がはらりと舞い落ちる。
QB「それが君の願いかい?」
少女の長い髪が風に揺れる。
鼻歌を交じえながら、残る二枚のもう片方の葉も
千切り取る。
QB「……ならば君は何を望む?」
小さな唇と伴に、少女の手が止まる。
葉のさざめきが静寂を埋める。
少女は歪になったクローバーをじっと見つめる。
「……」
再び少女の手が動き出し、最後に残った一枚の葉をつかむ
その瞬間。
突風が吹いた。
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