4:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします[saga]
2014/01/29(水) 20:52:22.14 ID:Y5VyRhna0
◇
ベッドの横に備え付けられた小さなテーブル。
そこにちょこんと乗った機械仕掛けの長鳴き鳥が、朝の訪れを告げる電子音を規則正しく発している。
丸まった毛布からのそりと伸びた手がスイッチを押し込むと
その役目を終えた目覚まし時計は主に成り代わって深い眠りに就いた。
ほむら「……ん」
二度寝しそうになる暖かい布団の誘惑を振り切って
ほむらは目を擦りながら起き上がる。
昨夜は充分な睡眠時間をとったはずなのだが、体には僅かな疲労感が残っていた。
ほむら(なんだろう……変な感じ……)
気だるさを振り払うべく、背伸びをしてみる。
しかし効果はあまりなかった。
ほむら「……朝ごはんの支度しなきゃ」
誰に言うでもなくそう呟きながら、ほむらは昨日から編んだままの三つ編みをシーツの上に引きずって、
のそのそと緩慢な動作でベッドから立ち上がる。
ほむら(そういえば、また今日もあの夢だったな……)
軽く寝癖を直している間にふと、思い出した。
白い部屋の中心で、一匹と一人が意味不明な会話劇を繰り広げる夢を思い返す。
もっとも、内容の一部は起きたその瞬間には既に忘れてしまっていて、会話も断片的にしか思い出せないのだが。
この所最近、ほむらはこのような似た内容の夢ばかり見ていた。
ほむら(キュゥべぇと一緒に話してるのは誰なんだろう……?)
片方に関してはよく知っている。
魔法少女のマスコット的存在であるキュゥべぇとは契約を交わしてからもう長い付き合いだ。
ほむら(でも、もう一人は……)
キュゥべぇと話していた人物。
同じ中学の制服に身を包み込む、顔立ちの整った長い黒髪の少女。
どことなくだが、彼女は――
ほむら(私に似てる……ような気がする……)
鏡を覗き込み、自分の顔をまじまじと眺めながらうーん、と唸る。
ほむら「……なんて。あんなにカッコ良くはないか」
赤い眼鏡を掛けた、どこか幼さの残る思春期の少女。
鏡に映し出されるその年相応の柔らかな表情が、自嘲気味に微笑んだ。
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