78:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga sage]
2014/05/25(日) 22:08:12.90 ID:bOYkz5VF0
さやか「ほむらはそっとしとけって言ってたけど」
さやか「そういう時ってすっごく辛いんだと思う……でも、いつ迄も塞ぎこんでてもしょうがないって」
さやか「あたし、仁美のそんな顔見たくない」
さやか「親友が落ち込んでるとこ見てたくない」
嫌味のない笑顔が茫然とした仁美に向けられる。
さやか「だからさ、全部忘れて一緒に遊びに……なんてさ」
一つ上の先輩、お祝いも兼ねてなどのワードが仁美の頭の上を素通りする。
さやか「どう、かな?」
仁美の認識の中ではサイレント映画のようにさやかの口だけが動いていた。
さやかが事情を知らなかったというその事実は、仁美にとってあまりにもショッキングなものだった。
さやか「まあ、ホラ初恋は実らないって言うしさ?」
意識の隅で拾ったその言葉は臨界迎えるに充分なものだった
仁美(いい加減にっ――!!!!)
残響が店内にこだまする。
店内の誰もが仁美らのテーブルに顔を向けていた。
仁美の両手の平に残る衝撃の余韻。
さやかは突然のその行動に目を丸くした。
さやか「ご、ごめん。余計なお世話だったかな」
失言に慌てて場を取り繕う。
さやか「あ、あたし、あの、ほら空気読めないとこあるじゃん? そういうのホントからっきしみたい、あはは……」
さやか「……それでよく他人とけんかになったりしちゃうけど」
さやか「でも、これは仁美を想ってのことなの、それだけは分かって」
さやか「だって、ねぇ仁美。私達――」
その先の言葉を聞きたくはなかった。
聞いた瞬間に二人の間にあると信じていた『それ』は壊れてしまうから。
さやか「親友だって、そう思ってるから」
さやかがいつもと変わらない笑顔で言ったその言葉は仁美の頭の中を全て真っ白に吹き飛ばし、
心の奥底に突き立った爪が、最後まで守っていた大事なものを無情にも引き千切った。
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