80:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga sage]
2014/05/25(日) 22:10:46.48 ID:bOYkz5VF0
仁美「楽しいことも幸せなことも、全部どこか遠く……いいえ、有りさえすら」
人気のない公園の隅で中学生の体にはやや小くなったブランコを軋ませ
排気ガスで霞む遠い黄昏た街並みを眺めながら、志筑仁美は呟いた。
仁美(だとしたら、わたくしは死んでしまっているのと同じではないでしょうか?)
仁美「生きる意味……か」
先程から鞄の中で携帯がしきりにわめいている。
相手は美樹さやかか稽古先か。
仁美(どっちでもいいですわね)
着信相手を見ずに電源を切った。
仁美「ふふ……」
死……それも悪くは無いと、軋むブランコの上で微笑んだ。
自暴自棄からくる開放感はいっそ清々しく心地よかった
『じゃあ、死んじゃう?』
頭の上から声が降ってきた。
仁美「だ、誰!?」
ぎょっとして顔を上げ、仁美は辺りを見回す。しかしそこに人影はない。
仁美がここに来た時には誰もいなかった。
それに、見通しの良いこの公園では、誰かが入ってくればすぐに分かるはずだ。
『でも、そんなのつまんない』
今度は背後で声がした。
また同じ声。
今度はさっきよりも近い。耳の直ぐ横だ。
『楽しいほうがいいよね? 幸せなほうがいいよね?』
『あの女を見返したいよね?』
別々な人の音声を切り貼りしたような、不安定な音域の声が吐息と共に仁美の首筋にかかる。
仁美「ひっ……!?」
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