81:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga sage]
2014/05/25(日) 22:12:15.94 ID:bOYkz5VF0
首が回らない。
得体の知れない恐怖に震え、身体が硬直する。
『大丈夫、ほんの少し眠るだけ。何も怖くは無いよ』
『目を閉じて、楽にして』
黒い霧が足元から体を這って徐々に上ってくる。
仁美「や……嫌ぁっ!?」
呼吸と共に否応無しに吸い込む霧が、肺と同時に心を満たし、強制的な安心感が仁美を支配する。
仁美「あ……」
『そして目覚めた時、君の望んだモノがそこにある』
仁美「私の……望み……」
夢の魔獣『さあ、君の夢を叶えよう』
夢の魔獣『そして彼女の悪夢を叶えよう』
仁美の心を苛むしがらみが抜け落ちて、代わりに脳にじわりと広がる多幸感。
それに抗えきれず、身体の自由が利かなくなって鎖を握る手が緩み
思考の鈍化と共に、まぶたが重くなる。
仁美「上条……君」
混濁する意識の中で唯一残った認識を呟いて、半開きの手がスカートの上にしな垂れ落ち
底へと堕ち行く意識がはじけて消えた。
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