過去ログ - 透華「は、ハギヨシ! わわ、私を抱きなさい!!」ハギヨシ「……」
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◆6ardW1rCAXVJ
[saga]
2014/02/04(火) 22:07:06.24 ID:MfFILXmIo
「お父様はこう話しておりましたわ」
「……」
「私も龍門渕の一人娘。お母様がそうであったように、いつかは外から男性を迎えることも覚悟してはおりました。
……それでも、ずっと前から許婚が決まっていたなんてあんまりですわ。こんなに速く、それも私の知らないうちになんて……」
潤んだ瞳から雫がこぼれていないのは、ひとえに透華の精神力の賜物だ。
透華の努力に気づかないふりをしながら、執事は追い打ちのように言葉をかける。
「お嬢様、それでは先ほど私にあのようなことをおっしゃったのは、旦那様から許婚がおられることをお聞きになっておられなかったという理由からでしょうか。
許婚の方は実際にお会いになれば素晴らしい方かもしれませんし、万一そうでなければ旦那様も無理には――」
「ハギヨシ」
「はっ」
「お父様が認めた方という時点で一般的には素晴らしい男性ということは間違いないでしょう。……ですが、許婚がどのような方であろうと関係ありませんわ」
「それでしたらなぜあのようなことを?」
「……私は精一杯隠しておりましたが、あなたのことですもの。わかっているのでしょう?」
「……」
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