過去ログ - 透華「は、ハギヨシ! わわ、私を抱きなさい!!」ハギヨシ「……」
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15: ◆6ardW1rCAXVJ[saga]
2014/02/04(火) 22:11:29.67 ID:MfFILXmIo
「こういうときはいい夢を見て安らかな気分になりたいですわ。ですからハギヨシ。手助けをして欲しいんですの」

「……何をご所望でしょうか」

「今夜、私の部屋に来なさい。……一夜の夢で構いませんの。どうか、どうかあなたの手で夢に溺らせてくださいまし」

「お嬢様、ですからそれは――」


主の懇願を拒絶しようとした執事の言葉が詰まる。
透華の瞳には今にも溢れ出しそうなほど涙が溜まり、頬は真っ赤に染まっている。
緊張からか手は小刻みに震えていて、呼吸も浅く速くなっている。
これまでに見たこともない透華の様子から読み取れるのは、不安と諦念、羞恥に恐怖。そしてわずかばかりの期待。
今の透華はこの世の誰よりも弱々しく脆い女性なのだと、事ここに至って萩原は理解した。

きっとここで拒絶してしまえば2人の関係はどうしようもなく終わってしまう。おそらくは、透華に決定的な心の傷を与えることで。
表面上は何事も無かったように振る舞えるだろう。それでも今の関係が続けられないことは明白だ。
……それでも、執事には超えてはならない一線が確かに存在する。それはときに主の希望よりも優先すべき定めだ。
だから、自身と、そして透華の想いを確かめるため、萩原は透華に問いかける。


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