過去ログ - モバP「そして輝子は」
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5:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします
2014/02/07(金) 01:15:56.06 ID:XywmlDJw0

 男は胸ポケットから小さな紙を取り出し、輝子に差し出す。輝子は鉢植えを支えたまま、それを片手で受け取り、紙面を読んだ。そこには、男の名前と身分が明かされていた。

「そこに書いてある通り、俺はアイドルのプロデューサー兼スカウトをしている。君、アイドルに興味はないか」

 アイドルという言葉に、輝子は少々舞い上がった。彼女の中では、アイドルというものは華々しく、好意的な意味合いを含むものだ。彼女はプロデューサーの言葉を疑わず、自分が褒められたのだと、純粋に喜んだのである。

「私に目をつけるとは、いいセンスですよー」

 なので、この上から目線の台詞は勘弁してやってほしい。輝子は人から褒められることに慣れておらず、ついつい調子にのってしまっているのだから。

「はっはっは、意外に強かなんだな。それならどうだい、アイドルになってくれないか」

 プロデューサーは、輝子の大言を笑って流してみせた。その様子は、まるで以前にも似たことがあったかのようにも見える。

「なる、アイドルでも何でもなりますよー……フフ」

 輝子は、アイドルになった。 





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