過去ログ - 【咲―Sski―】京太郎「今日から俺が須賀京子ちゃん?」【永水】
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13: ◆phFWXDIq6U[sage saga]
2014/02/12(水) 21:15:51.56 ID:cJv6xySVo

京太郎「…くそ」

結果、俺はメールの返信をする事を放棄し、視線を携帯から外した。
勿論、それが逃避でしかない事くらい俺も理解している。
何時かは必ず告げなければいけない事だ。
一ヶ月という期限がもうすぐそこまで迫っている以上、何時までもなあなあには出来ない。

京太郎「(…でも)」

今の俺にはその気力はどうしても沸かなかった。
自室に逃げ込んでも尚、嘘であって欲しいと思っているのだから。
それを咲に伝えてしまった瞬間、何もかもが壊れてしまいそうな、本当にそれが現実になってしまいそうな感覚さえある。
そんな俺が咲に今の状況を伝えられるはずもなく、逃げるように寝返りを打った。

京太郎「…」

瞬間、俺の視界に飛び込んできたのは本棚に並んだ幾つもの本だ。
高校に入るまでは漫画くらいしか並んでいなかったそこには今、麻雀の教本がところ狭しと並んでいる。
和から借りたもの、染谷先輩から貰ったもの、優希と一緒に選んだもの、咲にオススメしてもらったもの…色々だ。
俺にとって高校生活がどれだけ充実していたかを知らしめるその本棚が今の俺には辛くて仕方がない。
こんなに沢山のものを貰った人たちと別れなければと思うとそれだけで胸が苦しくなる。

京太郎「(…寝よう)」

どちらを向いても思い出に押しつぶされるような感覚。
今まで充実していた分のしっぺ返しが来たようなそれを俺は目を閉じる事で拒絶する。
勿論、そうやって拒絶しようとしたところで胸の奥底から沸き上がってくるその感覚は決して止んだりしない。
だが、それでも俺にとってはそれだけが唯一の救いであり、そして逃げ道であった。
愛着と思い出が染み付いている自室さえ俺にとっては責め苦の真っ只中でしかなく、だからこそ、俺は… ――




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