過去ログ - 【咲―Sski―】京太郎「今日から俺が須賀京子ちゃん?」【永水】
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42: ◆phFWXDIq6U[sage saga]
2014/02/12(水) 21:27:41.55 ID:cJv6xySVo

久「…京太郎君はこれからだったのに…」
京太郎「…」

そんな俺だからこそ、その言葉が竹井先輩なりの優しさと後悔が滲み出ているものだと感じた。
こうして引っ越しの最中に謝罪するくらいに竹井先輩は俺の事に思い悩んでいたのだから。
何より、インターハイが終わって受験が本格化するまでの間、誰よりも親身に初心者である俺の面倒を見てくれたのは竹井先輩なのだ。
もしかしたら受験が終わったらまた俺の面倒を見ようとか考えていてくれたのかもしれない。

京太郎「大丈夫ですよ。何も終わった訳じゃないんですから」
久「…そうだけど…」
京太郎「それより顔をあげてください。そのまんまじゃ幾らなんでも居心地悪いですよ」

冗談めかした俺の言葉に竹井先輩の顔がゆっくりとあがっていく。
その目尻にはさっきとは違って、微かに濡れたものが浮かび上がっていた。
そのまま何処か居心地悪そうに視線を背けるその姿は普段の小悪魔らしさなんて欠片もない。
もしかしたら初めて見るかもしれない歳相応の少女としての姿にちょっとだけ胸が跳ねてしまう。

京太郎「…ま、竹井先輩の珍しい泣き顔が見れたんで帳消しって事で」
久「…調子乗りすぎ」
京太郎「はは。まぁ、色々と無茶ぶりされた仕返しって事で勘弁してください」

そう笑った瞬間、俺の後ろでプルルと独特の電子音が鳴った。
それと同時に構内に響くのは俺が乗らなきゃいけない電車の到着を知らせるアナウンス。
それは俺にとって俺にとって皆との別れを告げる鐘の音も同じだ。
これが鳴った以上、俺はもう電車に乗り込んで住み慣れた長野を離れなければいけない。



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