4:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします
2014/02/12(水) 22:04:55.90 ID:slx1J284o
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「でも、お二人で作るのはちょっと意外でした」
その日のために作ると言っても、作業量自体はそこまで多くはありません。
加えてありすちゃんもそこまで根気のいるレシピを使っていた訳ではありませんし、何より千鶴さんが少しづつ教えていたようで、あっという間に完成に至ったのです。
まあ、完成とはいっても冷やすのにまた時間がかかるのですが。
そういう訳で、今は片付け作業を終えてソファで休憩しているのです。
「千鶴さんなら……笑わないと思いましたから」
自分で注いだジュースを一口飲むと、ありすちゃんがぽつりと呟きました。
その表情に、あまり明るみはありません。
ありすちゃんを知らない人から見ても、私と同様の思いを抱くことでしょう。
「同じかも。……恥ずかしいし」
またもや同じように、千鶴さんが呟きます。
……敢えて言っておきますが、ありすちゃんの言葉に悪意はありません。
この事務所に居る皆は、絶対に笑ったりはしません。
「まあ……みんなも笑いはしないだろうけど。でも何だか、ええと……」
ですが、当の本人にとっては色々と複雑なようです。
それでも、私には何となく分かるような気がします。
皆さんはとても優しいから、ありすちゃんや千鶴ちゃんがアドバイスを求めようなら手取り足取り教えますし、人によっては行動の背景に至るまで全て聞きたがりそうですから。
勿論、そういう事が他の皆さんにとっては当然なのかもしれません。
しかし、例え冗談や単なる話題であろうとも、人には色々な気持ちというものがあります。
それが彼女たちが他の皆さんに頼れない理由の一つなのでしょう。
考えすぎ、と言うべきなのかもしれませんが、彼女たちなりの思いがあるのです。
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