5:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします
2014/02/12(水) 22:05:24.93 ID:slx1J284o
「……ところで、翠さんはどのくらい作りました?」
ありすちゃんがジュースなのに対して、千鶴さんは湯のみから暖かい緑茶を注いでいました。
習字が趣味とのことですから、もしかしたらお茶も好きなのかもしれません。
「私、ですか……」
「とりあえず私達は二人で余裕のある分だけチョコを買って来て作ったのですが……きっとたくさん来るでしょうし、これで良いのかと思って……」
確かに悩ましい問題です。
私が入ってきた時から既にこの事務所はなかなかの規模を誇っていたのですが、時が経つにつれても成長は一向に止まらず、現在のテナントだけではもはや補いきれないぐらいだそうです。
いつかは、ビルを丸々一つ事務所のものになる、そんな日も遠くないのかもしれません。
さて、彼女たちの抱える疑問というものは起こるべくして起こるものです。
何せ上記のような規模ですから、当然そこに出入りする人も数多く居ます。
他所の事務所の事には明るくないのですが、とりわけ私の居る事務所というのは出入りに厳しくなく、用事のない人がそこに居てもまず怒られることはありません。
そしてここに来る皆さんは恐らく、彼女たち同様その日のためにチョコレートを作ってるでしょうから、仮に全員作ってきたとしたら――そうでなくとも、来た人に渡そうと思えば――量というのはあまり想像したくないでしょうね。
「ふふ、大丈夫ですよ」
しかし、私は彼女たちの不安に対して存外な反応をとることにしました。
当たり前ですが、何を言うんだろう、といった視線を向けてきます。
正直に言うと、私もそういった日には疎くてあまり積極的では無かったのですが、それでも皆さんからチョコレートを頂いたりして楽しく過ごせたのはよく記憶に残っています。
結局、その日の価値というのはチョコレート云々といったものではなく、その日を介して色々な言葉や表情を交わす事でお互いに楽しみあう、ということなのかもしれません。
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