16:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします[sage]
2014/02/15(土) 00:26:39.83 ID:lf+VB/Zqo
「どうしても教えてくれないんですか」
「どうしても教えることは出来ない」
とある事務所の前で凛とその事務所のプロデューサーが対立する。
泰葉の引退を知った凛はどうしてアイドルをやめるのか聞きたくなり、かつて
岡崎泰葉が所属していた事務所まで来て、担当していたプロデューサーと話す
ことは出来たのだが泰葉の連絡先を教えることも会わせる事も出来ないの一点
張りで話が膠着していた。
「ちょっと話が聞きたいだけなんです」
「ちょっとでもたくさんでも変わらん」
「なんでそんなに頑なに拒否するんですか」
「そういう決まりなんだよ。君の事務所だって同じだ」
それは凛には初耳だった。元からあの事務所に他のアイドルがいたところを見
た事ないのだが。
「そもそも君はなんでそんなに泰葉と話したいんだ。アイドルの引退する理由
なんてありきたりのものだぞ。泰葉だってもう二十三なんだ。理由としては
十分だ。君はまだ十六だったっけ。泰葉ぐらいの歳になればわかるさ」
「先週までトップアイドルだった人が一回負けた程度で引退するなんておかしいです」
「その座から引き摺り下ろしたのはまさしく君なんだけどなぁ……」
プロデューサーが残念そうに言う。
「本当の理由があるはずです。知っているなら教えてください。それとも言え
ない何かがあったんですか」
「何かがあったか……いや、逆だね。何にもなかったんだよ」
「何も無かった……?」
プロデューサーは周りを見た後、事務所のドアを開けた。無言で中に入れと言
っている。廊下では話せないことなのだろう。凛は事務所の中に入った。
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