15:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします[sage]
2014/02/15(土) 00:26:13.69 ID:lf+VB/Zqo
案の定と言うべきなのか。凛の名前はランキングになく、ツインスターの名前
はギリギリの順位に残っていた。そして一位にはいつも通りの名前が乗ってい
た。来週にはツインスターの名前もなくなり、トライアドプリムスの名前がラ
ンキングに戻る。また変わらぬ日常が戻ってくる。ランキングを後にして、事
務所に向かうことにした。
「あら、渋谷さん」
声をかけられて顔を上げる。そこには一位でおなじみの人がいた。
「こんにちは。岡崎さん」
「どうでしたか。一人っきりのライブは」
「私にはあのステージは広いみたいです」
「でしょうね。あなたは三人でやってるときが一番楽しそうですし」
「岡崎さんはアイドル、楽しいですか」
会話が止む。泰葉は寂しそうに微笑んでいる。
少し間が空いた後、泰葉が静かに言う。
「光が強く輝けば、闇はより濃く生まれます。
昔はそうだったかもしれません。今となってはもう……」
泰葉は目線を伏せる。凛は触れてはいけないところに触れたのだろうかと慌て、
口を開こうとしたら泰葉が伏せていた目線を上げた。
「渋谷さん。あなたなら私よりいいアイドルになれます。頑張ってください」
「え、あ、ありがとうございます」
突然の応援にどもってしまう。泰葉は一礼するとその場を立ち去った。なぜ応
援するのにあんな悲しそうな目だったのか。凛にはそれがわからなかった。
そしてその翌週。
トライアドプリムスがランキング一位を取り、岡崎泰葉はアイドルを引退した。
31Res/39.19 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。