21:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします[sage]
2014/02/15(土) 00:29:27.82 ID:lf+VB/Zqo
「え……?」
凛はファイルのページを一気に捲る。そして投げ捨てて次のファイルも取り出す。
それも同じように捲り、投げ捨てる。また次のを取り出す。
気付けば棚には既にファイルは残っていない。手はガラス戸に残っていた破片や
散らばったガラスで傷も出来てる。最後のファイルを地面に落とす。今度はプロ
デューサーの机の引き出しを開ける。そのまま引き出しごと取り出し、投げる。
それを最後までやったところで凛は現実を悟った。
ファイルの中身は全て白紙だった。いつもプロデューサーが使ってる机の引き出
しにも何も入っていない。あと記録があるとすれば。机の上にあるいくつかのノ
ート。プロデューサーが業務日誌と呼んでいるものだ。凛はその中身を見たこと
ないが書いているところを見たことはある。書いてあるとしたら最近の出来事ぐ
らいのはず。震える手で業務日誌を開く。だがそこにもなにも書かれてはいなかった。
凛の心が深い絶望に満ちていく。
プロデューサーは机に向かっていつも何していた? 棚のファイルは何のために
存在した? 自分達は今まで一体何をしてきた?
「何かおかしいと思ったんですよね」
背後から声がした。凛がゆっくりと振り返る。
「ひどい不祥事ですね。全く」
そこにはこの事務所の事務員、千川ちひろが立っていた。
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