22:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします[sage]
2014/02/15(土) 00:29:53.82 ID:lf+VB/Zqo
「さてと、お話しましょうか」
その日の夜。凛の家にちひろはやってきた。
あの後、凛は自室に帰るように命令され、傷の手当をした後、そのまま部屋に
篭っていたのだ。
「もう一人の私は……?」
だから凛は幼い凛がどうなったのかを知らない。もしも順調にことが運んでいた
らこの部屋に戻ってくる手筈になっていたのに、その姿はない。
「まずそれからお話しましょうか。もう一人の凛ちゃん、いえ渋谷凛についてです」
ちひろが用意したコーヒーに口をつける。
「蒼いアクセサリーもってますか?」
おとなしく懐からアクセサリーを取り出す。ちひろはそれを手に持って様々な角
度から眺めている。
「あなたが遭遇したもう一人の渋谷凛もこれを絶対に持っています。なぜならこ
れが渋谷凛だからです」
そしてアクセサリーを机の上に置く。凛にはちひろが何を言っているのかわからない。
「あなただけじゃありません。あなたは知らないかもしれませんけど現在アイド
ルと呼ばれている存在は全てこれと同じように何かしらの小物を所持していま
す。例外は存在しません。なぜならばこれがあなたたちアイドルがアイドルた
る所以だからです」
一度言葉を切り、コーヒーを飲む。
「オーディションを行うことでアイドルの適正が高い個体を発掘し、それにアイ
ドルが宿ったアクセサリーを渡すことでその個体をアイドルに変える。それが
この世界でのオーディションでの全容です。あなたの場合は渋谷凛の適正 が
高い個体がいたのでそのアクセサリーを渡すことで渋谷凛になったにすぎませ
ん。今回渋谷凛が二人いたのは……まぁオーディションをしたら渋谷凛の適正
が高い子がみつかったのでその子も渋谷凛にしちゃっただけですね」
「わからない……わかんないよ」
「簡単に言えば、あなたは渋谷凛のコピーのようなものです」
コピー? それじゃあ私は誰なの? 本当の私は?
頭に痛みが走り、頭を抱える。しかし痛みはすぐに綺麗になくなった。
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