22:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします[saga]
2014/03/02(日) 20:50:57.28 ID:bEFC5GTXo
オーディションを二つ受けて結果を待っている間、さらに二つ、オーディションに応募をした。
二つで取りあえず、と思ってたのが、少し欲が出てきた。
条件に合うオーディションはチェックを入れ、連絡先はメモしておいた。
「千早、一昨日はオーディションだったんだろ? どうだった」
「さほど大崩れはしませんでしたけど」
「けど?」
階段に座って、オーディションのことを話す。
基礎練習は毎日するけど、気が散って、歌う気にはなれなかったから、こうして肩を並べて話をする。
「あんまり面白くなかったんです。アレ歌って、とかは言われるんですけど、歌い終わっても拍手も感想もないですから」
先生みたいな人が審査員なら良かったです、と笑って見せた。
「オーディションの結果はいつ頃分かるんだ?」
「早いので二週間くらい……だったような。後は郵便で通知が来るとか。すみません、あんまりよく分からないです」
「いや、いいよ」
先生は寂しげに言った。何故寂しげか。私は昨日、訳を知った。
私たち生徒は、と言った方がいいかもしれない。
「この時期に異動なんて、急ですね」
「どうしても必要らしいから。でも、それにしたって急だよなぁ」
彼は異動になった。この校舎には教師としてもう通わない。
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