過去ログ - 千早「先生と私」
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4:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします[saga]
2014/03/02(日) 20:32:33.71 ID:bEFC5GTXo
「こんにちは。やってるね」
 声に振り向くと、彼は階段を降りているところだった。
よいしょ、と下から三段目に腰かけて、気にせずどうぞ、とでも言うように手をひらりとふった。

 私は小さく溜息をついてから、基礎練習に戻った。

「なぁ、如月。アレ、歌えるか」
 基礎練習を終えたところで彼が話しかけてきた。
私の時間に一歩踏み込まれた気がして、思わず眉間に皺がよる。

「アレって何です?」
 無愛想に尋ね返す。彼は曲名を口にして、有名な曲だけど歌えないかな、と照れくさそうに頭を掻いた。
残念なことに、少なくとも彼にとって残念なことに、私はその曲を知らなかった。

「すみません。知りません。ですから歌えません」
「そうか。しかし、知らないって……如月って普段何聴いてるんだ?」

 彼は心底不思議そうに訊いた。

 自分の知っているものは、他人も知ってて当然とでも?

 そんな刺々しい言葉を飲み込んで、私は努めて冷静に質問に答える。


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