過去ログ - 【ストパン】土方圭助の憂鬱 その3【土方×もっさん】
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9:土方圭助 ◆SWi.TNPI7Y[saga]
2014/03/05(水) 23:02:07.38 ID:lUc31DTl0

「…………忘れるわけがないだろう。これは私が君に餞別代りに贈ったものだ。懐かしいな」
「はい。今まで、この刀にはどれほど助けられたか分かりません。本当に……ありがとうございました」
「いやいや。私の果たした役割などたいしたもんじゃないさ。今の君があるのは間違いなく君自身の力だ。…………というか、そんなことを言うためにわざわざこんな骨董品のような刀を持ち出したのかい?」

中佐の言葉に、坂本少佐は静かに首を振る。

「いえ、先生にはもう一つ、これを御覧に入れたくて」

そう言って少佐は、再び荷物の中よりもう一振りの刀を取り出して先ほどの刀と並べるように置いた。
その刀を一目見た中佐の表情がすっと引き締まる。
しばらく考え込むように沈黙した後、ゆっくりと話し出した。

「……なるほど。手紙にあったな。それが烈風丸とか言う刀か。ずいぶん危険なものだという話だが。正直、現物を目の前にして震えが止まらない。…………これがどういうものか、君は分かっていないわけではないのだろう?」
「…………はい。あの扶桑海事変の時、先生は私に仰いました。『たとえ何があろうとも誓ったその意思を守り通した君は、その時からもう一人の……一人前のウィッチなんだ』と。その言葉があったから、私はここまで来られたのです。だからこそ、私はウィッチとして守ることにこだわりたい。私の周りの人間を、そしてこの扶桑を」

坂本少佐の言葉に、北郷中佐は呆れたように後ろ頭を掻いた。

「……そんなに大したことを言ったつもりはないのだがな。事実、あの頃の君のウィッチとしての成長は目を見張るものがあった。それは誰でもない、君自身の努力の結果だよ」



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