179:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/04/28(月) 18:37:24.28 ID:S3TlNWjd0
みくが必要だったのは、これだ。
可能かどうかと言えば、心中の闇から抜け出すのは出来た。
しかし、彼女の矜持がそれを許さなかった。
それはプライドでもあり、生き様だった。
誇りは、大事だ。
だけど同時に、邪魔でもある。
有ればいいというものではない。
無ければいいといういうものでもない。
持つ事。捨てる事。
どちらを選べば正解か、なんて、誰に分かるものでもない。
みくは。
前川みくは。
「卯月チャン、ごめん、もう、もう少しっ……このまま……っく……」
「うんっ、うん……もっと、ふっ、ぅ……ぐすっ……もっと泣いて……ね?」
この場において、捨てることを選んだ。
弱みを見せ、らしくなく、喚いて、曝け出して。
それでも、明日を、未来を、仲間と共に行くと、そう、決めたのだ。
「ぐっ、ふ、あああああああ、あああ、――チャンの、ばかっ、ばかぁあぁあああ!」
瞳は濡れ、声は荒く、愛した男の名を叫ぶ、一人の少女。
そこにいつもの彼女はない。
それでもみくは。
それでも未来は。
ただ、輝きに溢れていた。
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