2: ◆4z2E.PK0ZYHD[saga]
2014/03/14(金) 00:03:22.15 ID:wUTONHnw0
「辛気くさいなぁ、まだお昼前だよ?」
俺の右側、上の方から明るい声がした。
見上げると、スポーツウェアに身を包んだ少し年下くらいの女の人が隣の切り株に立って俺を見下ろしていた。
3: ◆4z2E.PK0ZYHD[saga]
2014/03/14(金) 00:14:24.54 ID:wUTONHnw0
バランスを取り直したのを確認してから声をかけてみる。
「大丈夫?」
「あっ、うん。もう大丈夫だよ」
4: ◆4z2E.PK0ZYHD[saga]
2014/03/14(金) 00:30:45.15 ID:wUTONHnw0
「表情。人間楽しそうなのが一番だよ」
楽しそう、ねぇ。そういえば最後に楽しいと思ったのっていつだっけ。
起きて、学校か就活行って、帰って寝る。
5: ◆4z2E.PK0ZYHD[saga]
2014/03/14(金) 00:43:34.47 ID:wUTONHnw0
丸太でできた階段を一段飛ばしで駆け上がる。踏板部分の幅が広かったのとスーツを着ているのとで何度もこけそうになった。
橋の代わりに張られた網の上を飛び抜ける。運動不足が祟って息が切れてきた。
「ちょ、ちょっと…… タイム……」
6: ◆4z2E.PK0ZYHD[saga]
2014/03/14(金) 00:52:10.28 ID:wUTONHnw0
「ダメだなぁ、君は」
ここまで汚れたらもう関係ないか、と崩れた四つん這いの状態から仰向けになる。
「あぁ、ダメダメだよ。今日の就活だってサボったし……」
7: ◆4z2E.PK0ZYHD[saga]
2014/03/14(金) 01:00:13.76 ID:wUTONHnw0
「へ? って、就活でしょ? 就職活動」
「……就活? 君が? 俺より年上なの?」
「わたしは去年就活だったからね。おねえさんと呼びなさい」
8: ◆4z2E.PK0ZYHD[saga]
2014/03/14(金) 01:07:14.24 ID:wUTONHnw0
時間にして約三十分後。
全力で走って、跳んで、おねえさんを追いかけた俺は起き上がる体力すらなく、汗だくのまま大の字になって木漏れ日の射し込む緑の屋根を見上げていた。
「あー……」
9: ◆4z2E.PK0ZYHD[saga]
2014/03/14(金) 01:16:19.22 ID:wUTONHnw0
「それってよく聞くけど、生活できんの?」
「贅沢はできないよ。でも食べて寝て、ここで遊ぶくらいならできるかな」
そんなもんなのか。携帯の月額とか遊んだりするのを含めると難しいんだろうなぁ。
10: ◆4z2E.PK0ZYHD[saga]
2014/03/14(金) 01:23:25.72 ID:wUTONHnw0
「お腹空いたねっ」
「今は食欲もバテてるよ」
そう言って残っていたスポーツドリンクを飲み干す。
11: ◆4z2E.PK0ZYHD[saga]
2014/03/14(金) 01:24:51.79 ID:wUTONHnw0
これにて終了です。久しぶりに思いっ切り身体動かして遊びたいなぁ
12: ◆jPpg5.obl6[saga]
2014/03/14(金) 01:45:50.32 ID:6QejmJn90
乙!
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