51: ◆2DegdJBwqI[saga]
2014/04/17(木) 21:50:51.21 ID:HamqrAcGo
母親はともかくとして、異性とここまで近づいた記憶が恭介にはなかった。
恋人だった仁美とは、まずはもっと互いに親睦を深めあう、そんな段階。
だから、部屋で二人っきりで身体を寄せ合い、
肩に顔を埋めるなんて関係には最後までなっていなかった。
仁美と言葉を交わす。自分にはもったいない人と恋を育む。
ヴァイオリンが何よりも第一な恭介にとっては、
それで十分恋人というものを満喫できていたのだ。
だけど、だけど…………。
恭介がふと気付く。
昔、さやかとなら幼いころに多分これくらいの密着をしたことがあるはずだ。
にもかかわらず、それは恭介がいま体験しているものとは全く違った意味を持つ体験だった。
さやかの身体から伝わってくる温かさ。
それに幼いころこんなにも心をかき乱されていたとは考えられなかった。
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