過去ログ - さやか「愛に腐りし円の御剣」
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7: ◆2DegdJBwqI[saga]
2014/03/19(水) 15:19:27.24 ID:piabdirRo


「恭介」


彼女の両手が、恭介の左腕をそっと握り、それから上下に優しく撫でさすり始める。


「恭介、恭介、恭介、恭介、恭介、恭介、恭介――」


放っておけば無限に囁かれ続ける愛しい人の名。
そしてそれに伴うひたむきな愛撫。

恭介はそれらを自らの鼓膜と肌で感じて、確かに安堵していた。
決して彼女を見ていて沈痛な気持ちがこみ上げない訳ではない。

現に今も胸を絶え間なく抉られているような思いがする。

けれども、あの時、この部屋で見た光景と比べれば百倍マシだ。
そんな風な感情が恭介のどこかにある。


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