6: ◆2DegdJBwqI[saga]
2014/03/19(水) 15:16:23.81 ID:piabdirRo
「さやか」
恭介は部屋に入って最初に部屋の主の名前を呼ぶ。
それが引き金となって、さやかの目が恭介に向いた。
彼女は「壊れて」しまってからいつもそうだった。
たとえ誰かが自分のベッドの真横まで近づいても、
それだけでは全く反応を示さない。
ただ、声を出すこと、もしくは物音を立てることによってのみ、
彼女の注意をひくことが出来る。
そんなさやかが部屋に入ってきた相手を見て笑顔を浮かべるのは、
恭介がやってきたときだけ。
それに例外はない。今日もまた、さやかが美しく天真爛漫に笑う。
恭介がそっと歩み寄り、さやかの傍、彼の定位置である椅子に腰かけた。
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