過去ログ - ユウキ「ジュカイン、ハードプラント!!」
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雨雪 東吾
[saga sage]
2014/03/25(火) 11:18:14.20 ID:oX+cK0760
〜〜
オダマキ「じゃあ君が隣に越してくるセンリさんの息子さんか!」
先ほどの男性は大仰な声をあげた
その声に、周りの研究員や少年とラルトスは体を震わせる
ユウキ「あ、とりあえずキモリは返しておきます」
そう言って、少年は腰のモンスターボールを一つ取り出し、渡そうとしたが、男性がそれを手で制した
オダマキ「いや、そのキモリは君に譲ろう」
少年は思わず「えっ」と零した
ユウキ「こんな珍しいポケモン悪いですよ」
オダマキ「いやね、実はそのキモリ。てんで私になつかなくってね。他の研究員や、ハルカにも・・・ハルカって言うのは私の娘なんだがね」
ユウキ「あ、はい。さきほど会いました」
オダマキ「ほう、それなら話ははやい。それでハルカたちにも試してみたんだが、全くと言っていいほどいうこと聞かなくてね。こうやって」
男性は少年に差し出されたモンスターボールを指さす
少年が渡そうとすると、それを拒むかのようにガタガタと揺れるのだ
オダマキ「まあこういうわけだから貰ってくれんかね? あそこまで言うことを聞かせることがでいるのは君くらいしか知らないんだよ」
ユウキ「いや、それでも・・・」
なおも拒もうとする少年に男性は説得を続ける
オダマキ「それにこのポケモンは非常におかしな点があるんだ」
ユウキ「おかしな点?」
少年が興味を得たことに満足した男性はニヤリと笑みを浮かべ、話を続ける
オダマキ「君は、ハードプラント≠ニいう技を知っているかい?」
ユウキ「はい、知っています。限られた草タイプのポケモンのみ使うことができる草タイプ最強の技ですよね?」
男性は頷き、真剣な表情を見せる
オダマキ「その限られたポケモンの中に、このキモリの最終進化系であるジュカインは確かに入っている。だがその技の反動は他の技の比じゃない。ジュカインじゃないと使えないはずだし、特別な教えを受けなければ覚えないはずなんだ」
「まさか」と、少年はつぶやく
オダマキ「気づいたようだね。そう、このキモリはハードプラント≠既に覚えている」
少年は自分の手の中のモンスターボールを見つめる
一見何の変哲もないキモリに見えて、そのうちにはとてつもない力を持っていたのだ
確かに、先ほどの戦いでは見事な戦いっぷりであった
ドクリと少年の鼓動が跳ねる
このポケモンを使ってみたい
こいつを使ってバトルをしたい、と
オダマキ「私も研究者の端くれとしてこの件については非常に興味がある。しかし私の身の回りの人間じゃ使えない。ほとほと諦めようとしていたところに君の登場だ。もう私はこれに運命を感じずにはいられない!」
ユウキ「いやいや、そんな大げさな」
口ではそう言いつつも、少年の心はそちらに向かいつつあった
久々のバトルで高揚した心に、その言葉はいとも簡単に響いたのだ
オダマキ「君も旅に出るんだろ?」
少年の目が見開かれる
子供なら一度は夢見るポケモンとの旅
そこに広がるは無限の可能性
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