過去ログ - 京子「あかりと磁石」
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39:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします[saga]
2014/03/25(火) 21:09:22.75 ID:4vjrNWNfo

 私たちは今日、ここに何をしに来たんだろう。
 あかりに会うことで、何を確かめたかったんだろう。
 集まった砂鉄はほんの僅かで、もうすぐ夜になってしまう。
 あのころ、夜が来るのが、私は怖かったな。
以下略



40:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします[saga]
2014/03/25(火) 21:10:42.08 ID:4vjrNWNfo

「あっ」
 ボーっとしていた私が追いかけるより早く、あかりが立ち上がってビニール袋を捕まえた。
「はい、京子ちゃん」

以下略



41:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします[saga]
2014/03/25(火) 21:12:54.55 ID:4vjrNWNfo

 川の音が聞こえる。

「結衣がさ」
 ゆい。今日二度目に発音した音。
以下略



42:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします[saga]
2014/03/25(火) 21:14:11.34 ID:4vjrNWNfo

 どうしよう、言えない。
 言って、どうなる。
 言う意味なんてない。
 言わないほうがいい。
以下略



43:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします[saga]
2014/03/25(火) 21:14:51.58 ID:4vjrNWNfo

「結衣のことが好き」
 そうなんだ。私は。あいつのこと。
「すごく、マジなほうの意味で」
 私はこんなに喋るのがへただったかな。
以下略



44:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします[saga]
2014/03/25(火) 21:15:24.90 ID:4vjrNWNfo

 私は。
 私は、結衣のことが好きでいいの?
 この気持ちは、いいものなの?
 このまま、好きでいていいの?
以下略



45:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします[saga]
2014/03/25(火) 21:16:29.51 ID:4vjrNWNfo

 そこには私の大好きなあかりのあの顔があった。

 あかりは私を見て、にっこりと笑っている。
 いつもみたいに。
以下略



46:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします[saga]
2014/03/25(火) 21:17:09.97 ID:4vjrNWNfo

「あかり」
 ありがとう。
 そう言う代わりに、私は言った。
「さっきから、すごく気になってたんだけどさ」
以下略



47:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします[saga]
2014/03/25(火) 21:17:54.66 ID:4vjrNWNfo

 ◆

 来た道を、私たちは帰っていく。
 あかりの家へ。
以下略



48:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします[saga]
2014/03/25(火) 21:18:20.99 ID:4vjrNWNfo

「花が咲いたら、お花見しようぜ。みんな誘ってさ」

「いいねえ。みんなで来ようね」

以下略



49:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします[saga]
2014/03/25(火) 21:19:13.50 ID:4vjrNWNfo

「ピクニック。ううん、川原でバーベキューだったのかな? 何歳のときだったのかなぁ、はっきり覚えてないんだけどね。
 あのときが、あかりと結衣ちゃんと京子ちゃんが、はじめて会った日なんだよ」

「え? そうなの?」
以下略



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