過去ログ - 早坂美玲「アイドルサバイバルin仮想現実」
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28: ◆E.Qec4bXLs[saga]
2014/04/04(金) 01:19:14.97 ID:4F+BeHei0

ゆっくり歩きながらアナスタシアは自分の右腕に能力を発動させる

腕の表面に冷気が奔る

肩口から肘へ、肘から手首へ、手首から指先へとそれが広がっていく

ピシピシと角ばった音が鳴る、右腕がその硬いものにパキパキと包まれていく


美玲「なんなんだそれ・・・?何する気だよ」

アナスタシア(ボット)「もちろん、戦います」


それはまるで氷柱、

アーニャの右腕を氷が包み、その先端が肩から指先に向かうに連れて鋭く尖っている

その様はカマキリの腕にも、馬上槍を構えた騎士にも見える

包丁やナイフといった凶器とはどこか現実離れした外観が逆に脅威として美玲の瞳に映っていた

美玲「はぁ!?」

美玲はまだ状況が飲み込めない、チュートリアルを強制的にスキップされたから頭が追いつかない

アナスタシアの一部を覆う氷の中に細身の女性的な腕が見え隠れする、氷の表面がチカチカと光を反射していた

アナスタシア(ボット)「この氷は...正直、重くて邪魔なのですが、これも能力を使うには必要なのです」

美玲「は、能力・・・晶葉の言ってたヤツ、か・・・?」

アナスタシアは歩く、美玲は動かない

先頭というなれない行為に移れない


美玲「(なんだ、なんなんだよ!なんでアーニャが刺はやしてるんだッ!?あれか?ボットとかいう・・・)」


アナスタシアはゆっくり歩いてくる、その所作があまりにいつも通りなのでまだ現実での感覚が抜けきらない

美玲は彼女の右腕を見る、彫刻にでも使えそうなサイズの氷塊がくっついていることだけがこの場における唯一の不自然だった

そしてその氷の中に誰かがいた

こっちを不思議そうな顔で見つめている


美玲「(だれ、じゃない・・・)」


氷の中ではなかった。それは氷の表面に映った顔だった


美玲「(あれ、ウチの顔じゃん)」


氷の表面に映った自分の顔が見えるくらいの距離

アナスタシアと美玲の間は数十センチに縮まっていた




アナスタシア(ボット)「...痛くは、ありません」



氷に映った美玲がブレる

氷の槍がが振るわれた

精神的な意味においてスタートダッシュの地点で致命的に出遅れたプレイヤー、早坂美玲

不十分な理解、そして不足した経験の彼女を無慈悲な暴力は待たない


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